「ブライダルチェックは何を検査するの?」「費用は?受けた方が良いの?」など、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
ブライダルチェックはプレコンセプションケアの1つで妊娠を望む女性にはとても重要です。
ここでは、ブライダルチェックの費用や検査内容など詳しくご説明していきます。
ブライダルチェックとは、将来的に妊娠・出産を希望する女性を対象としたトータルヘルスチェックのことです。
近年プレコンセプションケアの注目が高まっています。プレコンセプションケアとは、「妊娠前の女性やカップルへ医学や社会的な保健介入を行うこと」として、2012年に世界保健機構(WHO)が定義した考え方のこと。日本では、女性やカップルが将来の妊娠を考え、妊娠や不妊に関する知識を深めたり、日常から自分たちの生活や健康に向き合う主体的な活動をプレ(事前)コンセプションケア(妊娠準備)と呼んでいます。
ブライダルチェックを受けることで、妊娠・出産や胎児に影響を与える病気・感染症の有無を調べ、早めに治療したり予防接種を受けたりといった対策ができます。
また、普段の生活では気づきにくい婦人科系疾患の早期発見・治療につながるのもメリットの一つです。
ブライダルチェックは、結婚前や結婚後などのタイミングや時期に関係なく、いつでも受けられます。
結婚の予定や妊活することを考えている方はもちろん、まだ予定がない方であっても、1度は受けておきたい検査です。
不妊の原因の半数は、男性側にあるとWHOの調査でも判明しているため、男性も一緒に受けるのがおすすめです。
男性のブライダルチェックでは、精液検査・性感染症検査などによって、男性側に妊娠の妨げや胎児に異常をもたらす要素が無いかの確認が可能です。
ブライダルチェックで男性側の疾患が発見できれば、早期治療や生活習慣の改善などができます。将来的に子どもを授かりたいと考えている方は、男女でブライダルチェックを受けておきましょう。
妊活のために男性がやるべきことブライダルチェックの費用は、1~3万円が相場と言われています。
検査内容や項目は多岐に渡るため、セットメニューを設定している医療機関が多くあります。どの検査を受けるべきかは医師・看護師と相談して決めると良いでしょう。
医療機関によっては、さらに詳しい検査を希望する方に向けて、オプションメニューも設定されています。
そのため、検査費用の相場は1~3万円ほどですが、医療機関や検査内容によって異なります。事前にしっかりと確認しましょう。
ブライダルチェックは病気を検査するためではないので、保険は適用されず、全て自費診療です。
しかし、検査結果や保険適用に該当する症状があった場合は、保険が適用される項目もあります。
ブライダルチェックは項目によって、地域からの助成が受けられる場合もあります。ただし、助成内容・費用は地域によって異なるため、事前に各自治体に確認が必要です。
ブライダルチェックは、以下の検査をセットで行う場合がほとんどです。
内診・超音波検査では、膣内に細い器具を挿入し、子宮や卵巣の状態を確認します。子宮筋腫・卵巣癌・子宮内膜症など、婦人科系疾患の早期発見が可能です。
子宮頸がん検査は、ブライダルチェックとセットで行うことが多く、子宮の入り口の細胞を採取してがん細胞の有無を調べます。
血液検査では、血液の濃度や性感染症・ウイルス感染・甲状腺機能異常の有無などを検査します。検査で分かる主な項目は次の通りです。
子宮頸がん検査は、ブライダルチェックとセットで行うことが多く、子宮の入り口の細胞を採取してがん細胞の有無を調べます。
HIV抗体 | 妊娠・出産・母乳によって赤ちゃんにも感染します。感染している場合には薬の服用や帝王切開での出産・母乳を与えないなどの対策で、赤ちゃんへの感染率を抑えることができます。 |
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貧血 | 妊娠中は胎児の成長に多くの血液が必要なため、貧血になりやすい状態です。鉄分が足りていないと妊娠中の貧血リスクが高まるため、治療や食事改善を行います。 |
甲状腺ホルモン | 妊娠・出産・母乳によって赤ちゃんにも感染します。感染している場合には薬の服用や帝王切開での出産・母乳を与えないなどの対策で、赤ちゃんへの感染率を抑えることができます。 |
梅毒 | 性感染症の一種です。性交渉だけでなく胎盤を通じて胎児に母子感染することもあるため、妊娠前に検査する必要があります。 |
麻しん | 麻しんに対する免疫の有無を調べます。妊娠中は免疫力が低下するため、流早産のリスクが高くなります。 |
風しん | 風しんに対する免疫の有無を調べます。妊娠初期にかかると胎児に奇形を起こす可能性があります。 |
B型肝炎 | B型肝炎ウイルスの感染を調べます。血液などから他人に感染しないように注意が必要です。分娩時の母子感染を防ぐためにも必要な検査です。 |
C型肝炎 | C型肝炎ウイルスの感染を調べます。慢性肝炎や肝硬変から肝臓がんに移行する可能性があります。 |
膣分泌(おりもの)検査では、細菌による性感染症がないかを検査します。検査で分かる主な項目は以下の通りです。
クラミジア | 自覚症状のないまま進行している可能性があります。子宮外妊娠や流産・不妊などのリスクがあり、出産時に感染していると、赤ちゃんに結膜炎や肺炎などが起きる危険があります。 |
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淋菌 | クラミジアと同じく、気づかないまま進行している可能性があります。子宮外妊娠や早産・不妊のリスクがあり、出産時に感染していると、赤ちゃんに淋菌性結膜炎が起きる危険があります。 |
ブライダルチェックと不妊検査は、検査目的や検査期間が異なります。
ブライダルチェックの目的は、婦人科系疾患と妊娠・出産に影響を与える病気や感染症の有無を調べることです。検査の多くは1日で終わります。
将来の妊娠・出産に備え、自身の体が健康かどうかを総合的に検査したい方はブライダルチェックが適しています。
不妊とは、妊娠を望むカップルが避妊していないにも関わらず、1年以上の期間、妊娠しないことを指します。
そのため、不妊検査は、妊娠の妨げとなっている原因を調べることが目的です。不妊の原因を特定するには時間がかかる場合も多いため、通院したり何度か検査したりすることで検査期間が長くなる傾向にあります。
将来の妊娠・出産に向けて、ブライダルチェックを受け健康状態を確認するのと合わせて、日頃から体の状態を整えておくことも大切です。
生活習慣を見直し、健康的な生活を心がけることが妊娠しやすい体づくりへの第一歩です。
また、男性にとっても健康的な生活は精子の質を良くすることにつながります。女性だけでなく、男女で生活習慣を整えることが大切です。
次のことを意識して生活習慣を見直しましょう。
妊娠しやすい身体に整えるためには、さまざまな栄養素が必要です。なかでも特に摂取しておきたい栄養素として葉酸が挙げられます。
葉酸の摂取が、胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクを下げることが明らかになっており、特に、赤ちゃんの神経管が作られる妊娠初期に葉酸を摂取することで発症リスクが40〜70%低減したという研究結果も出ています。
しかし、葉酸を体にしっかり蓄えるまでにはーヶ月ほどかかるため、妊娠を計画した時から葉酸を積極的に摂り、妊娠に備えることが理想的です。
※参考:葉酸とサプリメント・神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果
葉酸の効果や摂取量は?いつからいつまで必要?睡眠不足は、妊活にも悪影響です。
健康な体を維持するためにも、7~8時間程度の睡眠時間を確保できるよう心がけましょう。
また、睡眠は時間だけでなく質も大切です。寝る直前までスマホやパソコンを見ている方は、ブルーライトの光の影響で睡眠リズムが崩れやすくなるため注意しましょう。
痩せすぎや太り過ぎも、妊活に影響を与えます。
ご自身の体重が標準であるかどうかは、BMI値(体重Kg÷身長m÷身長m)で調べられます。
BMI値18.5~25以内が標準体重になるため、痩せすぎ・太り過ぎの方は標準体重に近づけることを心がけましょう。
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