授乳中に食べていけないものは?産後の食事について
授乳中は、母乳を通して、赤ちゃんに栄養が届くことから、どんな食事をしたらいいのか、赤ちゃんにとってよくないものがあるのか、など疑問に思っているママは多いのではないでしょうか?
ここでは、授乳中の食事で気をつけるべきことや、積極的に摂りたい栄養素などについてお話していきます。
助産師が監修
BELTA専属 助産師
立谷 紗耶華
(たちや さやか)
授乳中に控えたい食べ物や飲み物
基本的に授乳中に食べてはいけないものはありません。しかし、なるべく控えた方がいいとされている食べ物や飲み物はあります。それが以下の3つです。
糖質と脂質が多いファストフードやインスタント食品
糖質と脂質が多いものはなるべく控えた方がいいとされています。
ファストフードやインスタント食品は、糖質だけでなく、脂質も多く含まれている傾向にあり、タンパク質やミネラル、ビタミンが不足しバランスが偏ってしまいます。
また、授乳期に食事から摂る脂質の量が少ない方が、母乳を作るためにエネルギーが使われやすくなることが明らかにされています。
時間がなかなか作れないママにとっては、ファストフードやインスタント食品は強い味方かもしれません。
完全にやめるとはいかないまでも、授乳中は食べ過ぎないように気をつけておきましょう。
お酒
妊娠中もアルコールは避けるべきでしたが、授乳中の飲酒も危険なので避けましょう。授乳中のお酒は赤ちゃんの成長に影響を及ぼすことがわかっています。
妊娠中は胎盤を通して、アルコールが赤ちゃんの体に入っていきますが、授乳中は、母乳を通して、赤ちゃんに入っていきます。
赤ちゃんは肝臓の働きが未熟なので、アルコールを分解することはほとんどできません。その結果赤ちゃんの脳障害や、体の発達の遅れなどにつながる可能性が高まります。
※参考:妊娠・授乳中の禁酒のすすめ
カフェインが多く含まれているもの
カフェインも同様に母乳を通して赤ちゃんに入っていきます。
赤ちゃんがカフェインを摂取すると、耐性がないため、興奮状態になりやすく寝つきが悪くなったり、落ち着きがなかったりという影響があります。
カナダの保健省では、授乳中の女性はカフェイン300mg(マグカップ2杯ほど)に抑えることとしています。普段から、コーヒーなどのカフェインが含まれたものを飲んでいる方は注意が必要です。
※参考:食品中のカフェイン
授乳中の食事で大切なこと
授乳中の食事で大切なことは、主に以下の4つです。
栄養バランスを整える
産後は、これを食べた方がいい、これは食べてはだめと決まりきったものはありませんが、しっかりと栄養バランスを整えることが大切とされています。
以下のグラフはこちらの2点をまとめたグラフです。
- ・平成29年度の授乳婦の平均摂取量
- ・食事摂取基準(2015年)授乳婦(18〜49歳)の推奨量
平均摂取量 | 推奨量・目安量 | |
---|---|---|
エネルギー(kcal) | 1,829 | 2,300〜2350 |
たんぱく質(g) | 66.6 | 70 |
ビタミンA(µgRE) | 450 | 1,100〜1,150 |
ビタミンD(µg) | 7.2 | 8 |
ビタミンE(mg) | 5.9 | 7 |
ビタミンB1(mg) | 0.76 | 1.3 |
ビタミンB2(mg) | 1.03 | 1.8 |
ナイアシン(mgNE) | 12.9 | 14〜15 |
ビタミンB6(mg) | 0.99 | 1.5 |
葉酸(µg) | 229 | 340 |
ビタミンc(mg) | 67 | 145 |
カルシウム(mg) | 463 | 650 |
マグネシウム(mg) | 215 | 270〜290 |
鉄(mg) | 6.9 | 8.5〜9.0 |
亜鉛(mg) | 8.0 | 11.0 |
上記のグラフでもわかる通り、推奨量に足りていない栄養素が多くあります。
個人差はあると思いますが、栄養バランスを整え、足りていない栄養素を補うことを意識しましょう。
摂取カロリーを350kcal増やす
活動レベルにもよりますが、基本的な1日のエネルギー必要量は1700kcal~2000kcalの間とされています。授乳期は、母乳を作る際に多くのエネルギーが使れるので、普段よりも、350kcal多く摂ることが推奨されています。
よく授乳期間の間は、すぐにお腹が空くという方がいらっしゃいますが、母乳を作る際に多くのエネルギーが使われているので、正常な反応です。
産後すぐに体重を戻したいから、ダイエットをしたいという方もいらっしゃいますが、授乳期に無理に体重を落とすことはおすすめできません。まずは赤ちゃんのためにも十分に栄養を摂取することが大切です。
※参考:授乳婦の食事摂取基準
ごはんなどの主食を抜かない
授乳中はいつも以上にエネルギーを必要としますが、エネルギーになりやすい主食(炭水化物)を中心とした食事をすることも重要です。
ご飯やパン、麺類を意識すると同時に、それだけに偏らないように、タンパク質や、脂質とのバランスも考えましょう。
水分補給をしっかりとする
母乳は血液から作られますが、その9割近くは水分でできています。なので、しっかりと水分を補給することが大切です。
目安としては、1日に2〜2.5リットルほどと言われています。かなりの量ですが、こまめに水分補給をして、水分不足にならないようにしましょう。
授乳中や産後に特に意識して摂りたい栄養素
鉄分
よく授乳期は貧血になりやすいと言われていますが、母乳を作る際に多くの血液が使われるためです。
なので、授乳期は母乳や貧血対策のためにもしっかりと鉄分を摂取することが大切です。
鉄分が多く含まれる食品には、レバーやカツオなどがあります。
葉酸
葉酸は、妊娠前や妊娠中から赤ちゃんにとっても大切な栄養素ですが、授乳中も大切です。
葉酸は、血液を作る手助けをするだけでなく、細胞分裂も助ける役割を持っているので、産後の体のサポートに必要な栄養素です。
葉酸が多く含まれる食品には、ほうれん草やレバーなどがあります。
産後・授乳中も葉酸が必要な理由DHA・EPA
DHA・EPAは、人間の体では作ることができない必須脂肪酸の一種で、外から取り入れる必要がある栄養素です。
DHAは、母乳を通して、赤ちゃんに届けられますが、赤ちゃんの成長・発育に大きく関わっているので、授乳中に意識して摂ることが大切です。
特に青魚に多く含まれていますが、調理をする際に失われてしまうことが多く、なかなか食事からは摂取しにくい栄養素です。
DHAが赤ちゃんに必要な理由とは?カルシウム
産後は母乳から赤ちゃんにカルシウムを届けるため、不足しやすいと言われています。
また、この時期は、ホルモンバランスの乱れによって、骨量が減りやすい状態であることがわかっています。
イライラケアにも有効である、カルシウムが不足しないためも、普段の食事から意識しましょう。
頑張るママのキレイと元気をサポート!
産後のママは家事や育児に大変で、自分の食事まで気を遣っていられないという方が多くいらっしゃいます。
また、授乳中に大切な鉄分・葉酸・DHA・カルシウムなどは食事からは摂れる分には限りがあり、なかなか食事からは取り入れづらいのが現状です。
しかし、そのままでは、栄養不足になり、赤ちゃんに十分は栄養を届けることができません。
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