妊娠中に地震や水害が起きたら?
防災対策や心配なことを聞いてみました
妊娠
昨今は、地震や水害など災害のニュースを目にすることが増えました。
日本においては、いつどこで災害の影響を受けるかわからない状況になっています。
こうした中、9月1日「防災の日」にあわせてBELTAでは、妊娠中の防災に関するアンケートを実施しました。
人々の防災意識は日々高まっていますが、妊婦さんのための防災に関する意識や取り組みはまだ広がっていません。
今回のアンケートでは、妊娠経験のある方(妊婦さんと経産婦さん)を対象に「妊娠中の防災意識」をテーマに、災害や防災に対する考えやご経験を聞いてみました。
約2人に1人は「妊娠中に被災する可能性」考えたことあり
そもそもご自身が妊娠中に被災することについて考えたことがある方はどれくらいいるのでしょうか?
「ご自身が妊娠中に被災する可能性について考えたことはありますか?」という質問に対して「ある」と回答した人は60.5%いました。
半数以上の方が妊娠中の被災について考えたことがあるようです。
妊娠中の被災で最も心配なことは「お腹の子供の栄養」
妊娠中に被災した場合を想定すると、どのようなことが心配なのでしょうか?
妊娠中に被災して「避難所での生活が長引いた場合」「自宅で生活する場合」とそれぞれで心配なことを聞いたところ、どちらの場合でも「お腹の子供に必要な栄養ある食事を摂取できるか」が心配と回答した人が8割以上いました。
次いで「体調不良の際に周りに頼れる環境があるか」という回答が多く集まりました。
また、避難所での被災生活では集団生活における心配、自宅での被災生活では情報取得に関する心配を感じる人が多いようです。
妊娠中に特化した防災準備が出来ている人はほぼいない
妊娠中の被災について考えると心配なことがあるようですが、皆さん防災準備は出来ているのでしょうか?
防災準備の有無について聞いたところ「防災準備をしている」と回答した人は全体の64.3%いました。
一方で、防災準備をしている人に「妊娠中の被災を想定した特別な防災準備はしていますか(していましたか)?」という質問をしたところ、「はい」と回答した人は2.4%に留まりました。
妊娠中の被災を想定した防災準備をしていなかった人の半数以上が「(妊娠中の被災を想定した防災準備を)したいと思いながら出来ていなかった」と回答しました。
96.9%の方が地域・自治体に「妊婦に特化した防災対策をしてほしい」
被災すると、個人の対策だけではなく避難所での生活や物資支援など地域におけるサービスが必要となる場面も多くあります。
今回のアンケートでは、地域の防災対策やサービスについても聞いてみました。
「お住まいの地域では、自治体による妊婦に特化した防災対策や被災時の対応が整っていると思いますか?」という質問に対しては、「わからない」と回答した人が最も多くいました。
地域における防災対策について、日常の生活の中では中々知る機会がないのかもしれません。
一方で「お住まいの地域の自治体に、妊婦に特化した防災対策や被災時の対応をしてほしいと思いますか?」という質問に対しては、96.9%の方が「はい」と回答しました。
いざ、被災してしまった際には、妊娠中の方に配慮した対策や対応を求める人が多いようです。
では具体的に、地域における妊婦に特化した防災対策としてどのようなことを求めているのでしょうか?
「妊娠中に被災した時に、お住まいの地域の自治体・行政に求める対策やサービスはどのようなことでしょうか?」という質問に対して、68.2%の方が「妊婦・産後向けの被災グッズの支給/保温グッズ、栄養補助食品やサプリ、哺乳瓶、衛生用品など」と回答しました。
次いで「避難所で周囲を気にせず休める場所の提供」「自身の健康や出産について相談できる窓口」「妊婦のための栄養面を考えた食事などの健康サポート」という回答が続きました。
物資が不足しがちな環境の中で、妊娠中・産後にしか使わないものを手に入れることが出来るのか、という不安を抱える人が多いようです。
83.7%の方が被災時に葉酸サプリを飲めなくなるのが「不安」
被災時に地域に求めることの中にも入っている「栄養補助食品やサプリ」の一つとして、妊娠中に必要とされる葉酸サプリの摂取ついても聞いてみました。
「妊娠中に被災して、数日以上連続で葉酸サプリが摂取できなくなることは不安ですか?」と質問したところ、83.7%の方が「不安である」と回答し、そのうち7割の方は「とても不安である」と回答しました。
「妊娠中に被災した場合、栄養補助として妊娠中に必要な栄養素(葉酸などのビタミンやミネラルなど)が配合されたサプリメントがあれば摂取したいですか?」という質問に対しては、ほとんどの人が「摂取したい」と回答しました。
まとめ
アンケート結果から、妊娠中の被災に対して人々が抱える不安や防災準備の実態が明らかになりました。
・被災を経験したことがある人は14.7%
・自身の妊娠中に被災する可能性を考えたことがある人は60.5%
・妊娠中の被災が長引いた際に最も心配なことは「お腹の子供に必要な栄養ある食事を摂取できるか」
・防災準備をしている人は64.3%
・妊娠中の被災を想定した特別な防災準備をしている人は2.4%
・住んでいる地域での妊娠中に特化した防災準備を求める人は98.4%
・住んでいる地域での妊娠中に特化した防災準備として「妊婦・産後向けの被災グッズの支給」を求める人が69.3%
・83.7%の人が妊娠中の被災で葉酸サプリを摂取できなくなることが不安だと感じている
妊婦さんや妊娠を経験した方は、妊娠中の被災に対して不安を抱きながらも個人では中々「妊娠中の被災を想定した」防災準備が出来ていないようです。
また、妊娠中に被災した際の地域や自治体の防災対策やサービスについてもあまり知らない人が多いようでした。
昨今の災害で防災意識は高まっていますが、ライフステージ変化にあわせた防災対策や意識を持っている人は少ないのかもしれません。
ライフステージごとに、被災時に抱える悩みや必要な対策も変わってきます。
「防災準備」は準備しようと思った時に見直すことが大切です。
災害が起きてから、もっと早くに準備しておけばよかった…とならないためにも、妊娠中の方はもちろん、社会も「妊娠中の防災」に目を向けて必要な対策を行っていく必要がありそうです。
BELTAの妊娠中の防災への取り組み
妊娠中の防災対策といっても何をすれば良いかわからないという方もいると思います。
妊娠中の女性を多くサポートしてきて様々なお悩みを聞いてきたBELTAは、防災のエキスパートであるNPOママプラグと連携し、妊娠中の防災を呼びかける取り組みを行っています。
その一つとして、妊娠中の防災に対する考え方や準備について書いた「プレママ防災ブック」を作成し、誰でもご覧いただけるように公開しています。
今妊娠中の方、妊娠中の被災を想定して不安な方はぜひお気軽にご覧ください!
※資料ダウンロードにあたり簡単なアンケートに回答ご協力いただいております
また、BELTAでは各自治体と連携し、プレママ防災ブックや葉酸サプリを活用した地域の妊婦さん支援や情報発信をサポートする取り組みも行っております。
地域の妊婦さんへの防災支援はこちら
災害は防ぐことができないものです。
災害に対してただ不安を抱えるだけでなく、必要な情報をもとに適切な対策をすることが大切になってきます。
今後もBELTAでは、ライフステージ変化において女性たちが不安なく生活できるようなサポートを行ってまいります。