神経管閉鎖障害の予防のために葉酸はなぜ必要?

野菜をもつ妊婦

葉酸が妊婦さんに必要とは聞いたけど、「神経管閉鎖障害ってよくわからない」「葉酸との関係は?」と疑問に思う方は多いのではないでしょうか?

ここでは、神経管閉鎖障害と葉酸の関係についてお話ししていきます。

管理栄養士が監修

BELTA専属管理栄養士の顔写真

BELTA専属 管理栄養士
鳴海 菜々恵 (なるみ ななえ)

神経管閉鎖障害とは、妊娠初期に起こる胎児の先天異常のこと

妊娠初期のエコー写真

神経管閉鎖障害とは、妊娠初期(妊娠6週目ごろ)に起こる胎児の先天異常のことです。

神経管とは、赤ちゃんの脳や脊髄(せきずい)の元となる重要な管状の器官で、妊娠6週目ごろに作られると言われています。

この神経管が閉鎖されることによって、頭の方は脳に、足の方は脊髄となっていきます。

しかし、この閉鎖が行われない、きちんと閉じられないことにより、起こるのが神経管閉鎖障害です。

日本における発生率は0.06%(1万人あたり6人)程度の確率と言われています。

※参考:神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について

神経管閉鎖障害によって起こる障害

神経管閉鎖障害によって起こる障害は、主に以下の2つと言われています。

二分脊椎(にぶんせきつい)

二分脊椎(にぶんせきつい)

障害の中で、もっとも多いと言われているのが二分脊椎です。

脊椎とは、背骨のことで、首から腰あたりまでの長い骨のことを指します。

二分脊椎とは、文字通り脊椎が二つに分かれている状態のことで、脊椎がうまく作られなかったところから、背骨の中にあるはずの脊髄(せきずい)が外に出てしまう障害です。

これにより、運動・知覚・排泄の機能障害が起こるとされています。

無脳症

無脳症とは、脳の発育が進まないことにより、脳の一部や大半が作られず、欠損している状態です。

流産や死産、生まれても数日間で生命を維持できなくなる場合が多いとされています。

※参考:葉酸サプリメントは神経管閉鎖障害の発生リスクを低くする

神経管閉鎖障害の原因は?

環境によるもの

薬

薬の服用や、生活習慣病などの環境による原因が考えられます。

  • ・抗てんかん薬の服用
  • ・糖尿病や高肥満
  • ・喫煙
  • ・ビタミンAの過剰摂取

これらが原因でリスクが上がる可能性が考えられます。

※参考:葉酸サプリメントは神経管閉鎖障害の発生リスクを低くする

遺伝によるもの

DNA

人種や地域により、発症率などに違いがあるということから、遺伝による影響も考えられます。

また、葉酸をうまく活用できない体質や、過去に神経管閉鎖障害を持った赤ちゃんを産んだことがある場合なども、リスクが高くなるとされています。

「葉酸」不足によるもの

葉酸の含まれる野菜

栄養の面から考えると、原因の一つとして、「葉酸」不足が考えられます。

近年の研究において、葉酸の摂取が、胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクを下げることが明らかになっています。

つまり、葉酸が不足していると、神経管閉鎖障害の可能性が高まると言えるため、厚生労働省も葉酸を摂取するよう勧めています。

神経管閉鎖障害はエコー検査で判明することがある

エコー検査をしている妊婦

神経管閉鎖障害は、出生前診断のエコー検査で、判明することがあります。

エコー検査(超音波検査)は、形態異常を調べる検査で、人間には聞こえない超音波をお腹に当てて、赤ちゃんの形を調べます。

その際に、画像で体の一部が欠損していることなどがわかり、神経管閉鎖障害と判明する場合があります。

リスクを減らすために、葉酸の摂取が効果的

葉酸の含まれる野菜

欧米諸国では、神経管閉鎖障害の発症率が高かったため、発症リスク低減のため、葉酸との関わりについて多くの研究が行われました。

その結果、妊娠前の十分な葉酸の摂取によって、神経管閉鎖障害の発症リスクを大幅に下げるという研究結果が発表されました。

日本においても、二分脊椎の発症率が増加傾向にあることや、近年の偏った食生活によって、葉酸の摂取に個人差があるということから、妊娠を希望する女性に、葉酸の摂取が呼びかけられています。

葉酸を摂るときに気をつけたいこと

予防のために、大切な葉酸ですが、摂取をする適切な時期や、量などをしっかりと知っておきましょう。

妊娠を望んだときから摂取する

妊娠を望んでいる夫婦

妊娠と気づく時期は、すでに妊娠4〜6週目あたりです。

この時期になると、赤ちゃんの神経管が作られ、完成する時期のため、葉酸を必要とする期間を過ぎている可能性があります。

妊娠4〜6週目以降も葉酸は、血液を作るサポートをするので、大切な栄養素の一つではあります。

しかし、神経管閉鎖障害のリスクを下げるという目的では、遅くとも妊娠の1ヶ月前からの摂取が重要とされています。

食事からだけでなく、サプリメントから400µgの葉酸を摂取する

サプリメントで栄養を摂り入れる女性

葉酸は主に肉類や野菜類に含まれているので、普段の食事から摂取することができます。

しかし、食事から摂る葉酸は、およそ50%しか体内で使われないといわれています。

そのため、妊娠前は、神経管閉鎖障害のリスクを下げるため、普段の食事から摂れる葉酸にプラスして、サプリメントから400µgの摂取が推奨されています。

推奨量は以下にまとめております。

1日の推奨量
妊活・妊娠初期 食事から240µg+サプリメントから400µg

葉酸を摂るなら吸収率が高い酵母葉酸がおすすめ

酵母葉酸は体内に長くとどまる

神経管閉鎖障害と葉酸の関係についてお話ししてきましたが、葉酸は妊娠前から摂ることが大切です。

サプリメントでの摂取が推奨されていますが、その中でもおすすめなのが、酵母葉酸です。

酵母葉酸は吸収率が良く、長く体内に留まります。酵母葉酸で体内の葉酸濃度を高めていきましょう。

酵母葉酸について詳しく知る
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