乳児湿疹ができる原因は?症状とスキンケア方法

赤ちゃんの肌に赤いブツブツや、黄色っぽいかさぶたなどが見られ、不安になった方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
これらの乳児湿疹の多くは、積極的な治療をしなくても、正しくスキンケアを行えば自然に治ることが多いのです。この記事では、乳児湿疹の主な原因と予防・ケア方法、病院受診の目安について解説します。
助産師が監修

BELTA専属 助産師
立谷 紗耶華
(たちや さやか)
乳児湿疹とは
乳児湿疹とは、赤ちゃんの肌トラブルの総称です。乳児は生後1ヶ月頃まで皮脂分泌が盛んで、その後は急激に減少するため皮膚トラブルを起こしやすく、湿疹が悪化しやすい傾向があります。
湿疹は、赤いポツポツしたもの、黄色いかさぶたやフケのようなもので覆われているもの、膿の流出があるものなどさまざまな形状があります。
乳児湿疹は、食べ物や繊維の刺激に触れやすい、口の周り・顎の周りを中心とした顔面をはじめ、皮脂の分泌が盛んな頭部、蒸れて汗がたまりやすい首回り、背中などによく現れます。
乳児湿疹の主な原因
乳児湿疹の原因は主に以下の3つです。
1過剰な皮脂の分泌
2肌の乾燥
3汗による皮膚の炎症
過剰な皮脂の分泌
生まれたばかりの赤ちゃんは、お母さんから受け継いだホルモンの影響によって、皮脂の分泌が盛んに行われます。
そのため、余分な皮脂が毛穴に詰まりやすく、湿疹につながる場合があります。
肌の乾燥
生後2〜4ヶ月ごろになると、お母さんから受け継いだホルモンの影響が弱まり、皮脂の分泌量が少なくなります。しかし、赤ちゃんの肌は大人の肌よりも薄く、うるおいを守ってくれるバリア機能も十分に発達していません。そのため肌が乾燥しやすく、湿疹につながる場合があります。
界面活性剤による刺激にも注意

洗濯洗剤やベビーソープなどでは気にしている人も多い界面活性剤。実は保湿剤にも乳化剤や浸透剤として使われていることが多いので注意が必要です。
汗による皮膚の炎症
赤ちゃんは新陳代謝が高く、かつ既に大人と同じ数の汗腺があると言われているため、とても汗をかきやすい状態です。
汗を拭きとらずそのままにしていると、汗腺に汗が詰まり、湿疹につながる場合があります。
乳児湿疹の種類
乳児湿疹は、月齢や季節によってできやすい種類が異なります。
生後1週間〜1ヶ月頃にできやすい新生児ニキビ

新生児ニキビとは新生児挫創(しんせいじざそう)と言われ、顔の毛穴に赤いポツポツとしたニキビができるのが特徴です。新生児ニキビは、生後1週間〜1ヶ月頃にできやすく、皮脂の過剰な分泌が主な原因で起こります。
生後1〜2ヶ月頃にできやすい乳児脂漏性湿疹(新生児脂漏性湿疹)

乳児脂漏性湿疹は、皮脂分泌が多い頭部・顔・耳周辺・わきの下・首周辺に、魚のウロコのような黄色っぽいかさぶたができたり、カサカサしたものから、ジュクジュクしたものなど様々です。特に、生後1〜2ヶ月頃になりやすいと言われています。脂漏性湿疹の原因も皮脂の過剰な分泌があげられます。
ひどくなると、膿んで発熱することも

ほとんどの場合は適切なケアで改善できますが、膿んでしまったり発熱の症状が出た場合は、病院へ行きましょう。炎症が強い場合はステロイドなど外用薬を使用します。
生後1~3日頃にできやすい新生児中毒性紅斑

新生児中毒性紅斑は、生後1~3日の新生児によくみられる発疹で、胸や背中、顔に赤い斑点やブツブツができる皮膚トラブルです。原因は不明なようですが、皮膚形成のひとつとされています。数日〜数週間以内に自然に治ることがほとんどです。
夏にできやすいあせも

あせもは肌が赤くなったり、かゆくなったりするという特徴があります。汗のかきやすい夏などの時期に起こりやすくなるため、汗を拭くことはもちろん、こまめに着替えをすることが大切です。
あせもが出やすい場所は、背中・首回り・腕・ひざ裏、そして蒸れやすいオムツの中などです。
乳児湿疹はいつからいつまで?
生後2週間ごろ〜1歳前後まで見られる
個人差はありますが、生後2週間ごろから見られ、1歳になるころには落ち着く赤ちゃんが多いようです。その中でも、生後2〜3ヶ月ごろは皮脂の分泌が多くなるので乳児湿疹が現れやすいです。
その後の湿疹は、乾燥によるものが主な原因で、肌が成長していくにつれ自然に治っていくことが多いです。
乳児湿疹の予防・ケア方法
乳児湿疹は、適切なスキンケアを行うことで自然に改善していくことがほとんどです。
基本的なスキンケアは「清潔」と「保湿」。毎日しっかり行いましょう。
皮脂を洗い流し、清潔に保つ

赤ちゃんの健やかな肌を保つためには、毎日洗って清潔にしてあげることが大切です。注意点は、洗いすぎないこと。ベビーソープなどを使い、撫でるように洗ってください。そのあとはぬるま湯で洗い流しましょう。
また、洗い残しにも注意が必要です。残った泡が刺激となり、かぶれを起こしてしまう恐れがあるため、しっかりとすすぎましょう。
かさぶたは無理にはがさない

乳児脂漏性湿疹が出ている部位は、黄色っぽいかさぶたのようなものが付着しています。無理にはがしたりせず、ベビーオイルやオリーブオイルなどでなじませてから洗いましょう。
十分に保湿をする

清潔にしてあげた後にはもちろん保湿をしてあげてください。湿疹の主な原因は乾燥によるものです。全身に保湿剤をたっぷり塗ってあげて乾燥や刺激から肌を守リましょう。ワセリンやベビーオイルを使うのがおすすめです。
赤ちゃんの肌への負担を考えるなら、無添加・界面活性剤不使用のベルタベビーオイルがおすすめです。3種のボタニカルオイルを配合し、赤ちゃんも嬉しいもちもち肌に導きます。
乳児湿疹で病院に行く目安

乳児湿疹は、毎日のスキンケアで自然に治ることが多いです。しかし、「なかなか湿疹が治らない」、「何度も繰り返してしまう」、「かゆみ・赤みが出ている」、という場合は病院で受診しましょう。特に、かいてしまう、膿んでしまっている、発熱している場合は早めの受診をおすすめします。
小児科でも皮膚科でもどちらでも問題ありません。炎症の状態により塗り薬などが処方されることがあります。
母乳育児が、乳児湿疹に影響する可能性は低い

赤ちゃんに湿疹が見られると、「自分の食事などに問題があるのでは?」と不安になるママも多いのではないでしょうか?
しかし、ママの食事は乳児湿疹への直接的な影響ありません。過度に食事に神経質になる必要はなく、赤ちゃんの肌を清潔に保ち、保湿することが大切です。
乳児湿疹とアトピーとの違いは、かゆみがあることと、慢性的な炎症か

皮膚のバリア機能が低下することで生じる慢性的な炎症のことをアトピー性皮膚炎と言います。 乳児湿疹とアトピー性皮膚炎は症状が似ていますが、アトピー性皮膚炎の特徴はかゆみのある湿疹で、良い状態と悪い状態を繰り返します。
ですので、乳児湿疹とアトピーを瞬時に判断することは難しく、治療しながら経過を見て診断されることが多いようです。気になることがあれば、小児科・皮膚科に相談しましょう。 また、アトピー性皮膚炎は、最初は頭や顔からの湿疹皮膚炎から始まり、その後徐々に全身に広がっていくのも特徴です。
赤ちゃんの肌に対する意識調査結果

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