冷え性をやわらげたい!

更年期の冷えの原因や改善方法とは

冷えた足を触る女性

夏は冷房、冬は外気温の影響で
冷え性の症状に悩まされている方も
多いのではないでしょうか?
更年期に入り、冷えの症状がひどくなった
と感じる方もいるはずです。

更年期に起こる女性ホルモンの乱れは
冷え性を引き起こします。
今回は冷え性の原因や改善方法について
まとめました。

これって冷え性?
更年期に多い冷え性の
セルフチェック

もともと身体が冷えやすい自覚があった方はもちろん、更年期に入って急に冷えを感じるようになった場合は冷え性が原因かもしれません。
更年期の冷え性は症状に個人差があるため、「これって冷え性なのかな?」と感じても対処しづらい場合があります。
更年期に表れやすい冷え性の特徴を確認しましょう。

手足が冷える末端冷え性

外気温が低いわけではないのに、手足を中心とした末端が冷えるのは更年期による冷え性の特徴です。
腰から手足にかけて冷える場合が多く、温めても症状がやわらぎづらい特徴があります。
特に春や夏などの、外気温が高い季節の場合は厚着をして対策するわけにもいかず、冷えを我慢するしかないと感じる方も多いでしょう。

腰を抑える女性

ほてりと冷えがある冷えのぼせ

更年期の冷え性には冷えとのぼせの症状が同時に起こる冷えのぼせの症状も特徴的です。
末端冷え性と併発すると、手足は冷えるのに顔はほてる・汗をかくといったホットフラッシュの症状につながります。
冷えのぼせの場合も対策が取りづらく、急に症状が表れる場合もあるため、対処に困る方が多いのが特徴です。

冷えのぼせのイラスト

全身が冷える筋力やエネルギーの不足

全身に冷えを感じて、厚着をしてもやわらがない場合、筋力やエネルギーの不足が原因と考えられます。
特に更年期は女性ホルモンの減少により筋肉量が低下しやすく、身体が熱を生み出しづらくなるため冷えの原因になります。筋肉は活動すると熱を生み出すだけでなく、血流をよくし、全身に行き届かせる働きを担っているからです。
胃腸の不調もエネルギー不足につながるため、更年期は特に栄養面に配慮した食事を心がけるようにしましょう。

健康的な食事

冷え性の主な原因とは?
確認したい4つのポイント

冷え性の主な原因は4つあります。どれか1つに当てはまる場合もあれば、複数の項目に心当たりがある方もいるでしょう。
大切なのは自身の冷え性は何が原因か理解することです。原因が分かれば、それを防ぐために生活習慣や食習慣の改善につながります。
自身がどの項目に当てはまるかチェックしてみてください。

鉄分不足による貧血

鉄分不足による貧血は、冷え性の原因になります。
鉄分はヘモグロビンを構成します。構成されたヘモグロビンは血中の赤血球に含まれて全身に酸素を運ぶ役割を担っています。

  • 1.鉄分が不足する
  • 2.ヘモグロビンが不足する
  • 3.血中酸素が低下する
  • 4.貧血になる

貧血は疲れやすさや息切れを引き起こしますが、冷え性の原因にもなります。血行が悪くなり酸素が行き届かないと、身体で熱を生み出せなくなるのです。

【鉄分不足による貧血を起こしている場合の特徴】

  • 倦怠感
  • イライラ
  • めまい
  • 動悸
  • 抜け毛や枝毛

鉄分不足による貧血はさまざまな不調を引き起こします。当てはまる項目があれば鉄分不足を疑ってみましょう。

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスの乱れは冷え性につながります。女性のホルモンバランスは、自律神経と深い関わりがあるためです。
ホルモンバランスが乱れた結果、自律神経の働きが乱れると、体温調節がうまくいかず、冷え性の原因となります。

【ホルモンバランスが乱れている場合の特徴】

  • 頭痛
  • 不眠
  • 急な冷え
  • 急なのぼせ

不調を感じたら、それはホルモンバランスの乱れが原因かもしれません。症状がひどい場合は病院の受診も検討しましょう。

不調な人のイラスト

自律神経の乱れ

自律神経が乱れると体温調節がうまくできなくなり、冷え性につながります。
更年期の女性はもともと、ホルモンバランスの乱れが自律神経の乱れを引き起こしやすいのが特徴です。
さらに、ストレスは自律神経の調子を狂わせ、交感神経と副交感神経の調節をしづらくさせます。身体が活動モードと休息モードを切り替えられないと、身体のエネルギーである熱を上手に発散できません。

結果として手足などの末端が冷えやすくなり、顔が急にほてるホットフラッシュの症状も起こりやすくなります。

【自律神経が乱れている場合の特徴】

  • 急に冷える
  • 急にのぼせる
  • 不眠・寝つけない
  • 倦怠感

筋肉量の減少

身体を温めるためには熱を生み出す筋肉の働きが欠かせません。活動して筋肉が血管を収縮させることにより、全身に血液を行き渡らせるからです。
女性はもともと筋肉量が少ないのに加え、更年期やダイエットの影響で筋肉量が減少すると身体で熱を生み出しづらくなり、冷え性の原因になります。

【筋肉量が減少しやすい人の特徴】

  • 階段を使わず、エレベーターやエスカレーターで移動する
  • 運動習慣がない
  • 食事を減らしてダイエットをしている
  • 更年期である
食事制限している人のイラスト

更年期の冷えは改善できる?
症状をやわらげる4つの方法

更年期の冷えをやわらげるには4つの方法があります。
冷えの症状は我慢していると不眠や肩こりなどの別の症状を引き起こすため、対策が欠かせません。

更年期の冷え症には少しでも楽に過ごせるような工夫が必要です。
自身が工夫できる範囲で構いません。日々の工夫が少しずつ習慣になれば、自然と冷えを避ける選択ができるようになります。

運動で筋肉量の減少を防ぐ

無理のない運動習慣を身につけて筋肉量の減少をおさえましょう。
例えば、次のような方法は日常生活の中でも取り入れやすいため、おすすめです

・移動にはエスカレーターやエレベーターは使わず、階段を使う

・一駅分歩いて通勤する

・休日は散歩をする

積極的に足腰を使うだけでも、筋肉量の維持につながります。
また、筋肉を動かすことで血行が促進され、体温を上げる作用もあります。

体を温める食材

身体を温める食べ物を食卓に

冷え性の症状をやわらげるには身体を温める食べ物を積極的に摂りましょう。
赤身の肉や魚、納豆や味噌などの発酵食品、ネギやショウガなどの薬味は身体を温める作用があります。

献立に迷ったら積極的に取り入れるだけではなく、外食やお惣菜で食事をする場合も、1品加えたり材料を見て選ぶように工夫するだけでも構いません。

反対に、身体を冷やす作用のある食べ物は控えるようにしましょう。
レタスや白菜、きゅうり、トマトなどは身体を冷やす野菜です。これらの野菜は冷えが気になる場合は避け、食べる際も生野菜サラダではなくスープのような温かい献立を選びましょう。

ランニングする女性

十分な睡眠で体内時計を整える

更年期の冷え性には十分な睡眠で体内時計を整えましょう。
更年期は自律神経が乱れる傾向にあるため、良質な睡眠が取りづらくなります。必要な睡眠時間はひとによって異なるため、自身に適した睡眠時間を把握しておきましょう。
朝、起きたら太陽の光を浴び、体内時計を調節します。日中は活動し、夜に睡眠を取ります。カフェインの含まれている飲み物やパソコン、スマートフォンなどは寝る前に使わないようにしましょう。

また、寝だめも体内時計が乱れるため控えるようにします。日頃から十分な睡眠を摂れば寝だめの必要もなくなりますよ。日々活発に活動するためには毎日の睡眠習慣が大切です。

伸びをする女性

入浴による温活は薬湯を取り入れて

冷え性対策には入浴の習慣が欠かせません。
1日5分でよいので入浴の習慣をつけ、慣れてきたらぬるま湯に20〜30分ほど浸かるようにしましょう。
入浴剤で入浴の効果を高められます。お気に入りの入浴剤をいくつか見つけておくとよいでしょう。
中でも薬湯は、生薬を何種類か使っているため、生薬由来の効能を入浴に取り入れることができます。

主な生薬の効能は次の記事を参考にしてください。

薬剤師や漢方医などに相談する機会があると、より症状に合った生薬を選びやすくなります。

お湯につかる女性

まとめ

冷え性は原因がわかり対策が取れれば改善が可能な症状です。
つらい冷えは心身ともに負担がかかります。気持ちが落ち込むような過ごし方はしないように工夫しましょう。
また、更年期は身体が冷えやすい点を理解するのも大切です。今はそういう時期なのだと受け止めて、自身が楽に過ごせる方法を探しましょう。