ビタミンB12の働きと多く含む食べ物や推奨摂取量

ビタミンB12が含まれている食べ物

ビタミンB12はビタミンB群の一種で補酵素として働き、葉酸とともに血液を作るサポートをする栄養素です。

ここではビタミンB12の働きや、ビタミンB12が多く含まれている食べ物、推奨される摂取量についてご説明していきます。

特に妊娠中・授乳中のママにしっかり摂っていただきたい栄養素なので、摂取する際に役立てていただければと思います。

管理栄養士が監修

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BELTA専属 管理栄養士
鳴海 菜々恵 (なるみ ななえ)

ビタミンB12の働きとは?

ビタミンB12が含まれている食べ物

ビタミンB12は補酵素として様々な働きを持っており、水に溶けやすい水溶性のビタミンの一種です。その主な働きは以下の4つがあげられます。

  • ・血液を作るサポート
  • ・アミノ酸・脂肪酸の代謝をサポート
  • ・タンパク質の合成をサポート
  • ・神経機能の正常な働きをサポート

ビタミンB12は神経や血液細胞の健康維持に役立つ栄養素です。また、全ての細胞の遺伝物質であるDNAの生成もサポートします。

これによって貧血を予防したり、疲労や体力低下を防ぐ効果があります。

※参考:厚生労働省eJIM ビタミンB12

※参考:ビタミンB6/B12の働きと1日の摂取量

ビタミンB12が多く含まれている食品一覧

以下の食品がビタミンB12が多く含まれている食品です。主に動物性の食品に含まれていることが特徴です。

食材100g(生) 含有量
しじみ 68.0µg
あさり 52.0µg
牡蠣 23.0µg
まいわし 16.0µg
まさば 12.9µg
干しのり 78.0µg
味付けのり 58.0µg
牛レバー 53.0µg
鳥レバー 44.0µg
卵(卵黄) 3.5µg

※参考:食品成分データベース 文部科学省

※参考:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

しじみなどの貝類

しじみ

ビタミンB12は、しじみやあさりなどの貝類に多く含まれています。味噌汁に入れるなど、簡単にビタミンB12を取り入れることができます。その他にも、イワシやさばなどの魚介類にも含まれています。

牛レバーなどの肉類

レバー

肉類は赤身肉を中心にビタミンB12が多く含まれています。レバーには特に多く含まれています。
グリルやローストにして調理し、日頃から意識的に摂取しましょう。

鶏卵などの卵類

鶏卵

卵類にもビタミンB12が含まれています。卵黄に含まれていますが、卵白にはほぼ含まれていません。うずらの卵に多く含まれますが、鶏卵と比べて脂質やカロリーが多いため、食べすぎないよう注意しましょう。
オムレツやスクランブルエッグにして、野菜と一緒に摂取することで、栄養バランスを保ちながら美味しく食べることができます。

干しのりなどの海藻類

干しのり

海藻類では、焼き海苔や青海苔のほか、あおさ・岩海苔にビタミンB12が含まれています。ですが、こんぶ・ひじき・わかめなどの他の海藻にはほとんど含まれていません。
いつもの卵焼きに焼きのりを挟んだり、味噌汁にあおさを入れてみるなど、ちょっとした工夫でうまく取り入れましょう。

野菜類にビタミンB12はほとんど含まれていない

野菜

ビタミンB12は、魚介類や肉類といった動物性の食品に多く含まれているという特徴があります。海藻類の海苔などには含まれていますが、野菜類にはあまり含まれていません。

ビタミンB12の1日当たりの推奨量

ビタミンB12の1日の推定平均必要量と推奨量は以下です。

18歳以上の推奨量は2.4µg

推定平均必要量 推奨量
18歳以上の女性 2.0µg 2.4µg
18歳以上の男性 2.0µg 2.4µg

妊婦さんの推奨量は2.8µg・授乳期は3.2µg

推定平均必要量 推奨量
妊婦 2.3µg 2.8µg
授乳婦 2.7µg 3.2µg

妊婦さんや授乳中の方は、赤ちゃんにも栄養を届けるため、必要量が多くなります。

特に妊娠中や授乳中は貧血になりやすいこともあげられますので、しっかりとビタミンB12を摂取することが大切です。

※参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

ビタミンB12が不足した場合の症状は?

立ちくらみをしている女性

ビタミンB12は動物性の食品に多く含まれているため、不足する可能性は低いですが、もし不足した時に現れる症状としては以下のことが当てはまります。

貧血によるめまいや立ちくらみ

ビタミンB12が不足すると、成熟していない赤血球が作られてしまいます。

これにより貧血を引き起こし、めまいや立ちくらみだけでなく、息切れや疲労感を感じやすくなったりすることがあります。

手足の痺れなどの神経・感覚障害

ビタミンB12は末梢神経の働きにも関わっているため、不足すると、手足がチクチクと痺れたりすることがあります。

また、脳神経がうまく働かないため、平衡感覚障害やうつ病、認知症などの症状が見られることもあります。

※参考:厚生労働省eJIM ビタミンB12

ビタミンB12が不足しやすい人や食生活

ビタミンB12は、野菜類にはあまり含まれていません。そのためベジタリアンやヴィーガンの方などはビタミンB12が不足しやすいです。
普段からあまり魚や肉を食べない菜食主義者の方は、注意をしましょう。

また、ビタミンB12は胃から分泌される内因子と結合して小腸から吸収されるため、病気などによって胃の機能が弱まっている方は、吸収不良によりビタミンB12が不足しやすくなっています。
高齢者、胃の手術をした方は注意をしましょう。

ビタミンB12が過剰摂取になる可能性は低い

ビタミンB12を多く摂取してしまったとしても、余分なものは体内に吸収されずに体外へ排出されるため、過剰摂取になる心配はないとされています。

サプリメント等でビタミンB12を多く摂取をしたとしても、健康障害の報告はないと国の調査でも判明しているため、上限量などは特に設定されていません。

※参考:ビタミンB12

ビタミンB12は葉酸と一緒に摂りたい栄養素

葉酸が含まれている食材

ビタミンB12は葉酸とともに骨髄で正常な赤血球をつくる大切な栄養素です。

ビタミンB12が不足している状態で葉酸を大量に摂取すると、貧血は予防できても、ビタミンB12不足による神経障害を引き起こす可能性があるとされています。

特に妊活中や妊娠中の女性は葉酸の摂取が大切ですが、葉酸の1日の上限量の1,000µgを超えない範囲でビタミンB12とバランス良く摂ることを心がけましょう。

※参考:葉酸の効果や摂取量は?いつからいつまで必要?

※参考:厚生労働省eJIM ビタミンB12

手軽に摂取するならサプリメントがおすすめ

サプリを摂取する人の手

特にビタミンB12を意識して摂取したい妊活中・妊娠中の女性にとって、普段の食事を見直すことは大切なことですが、忙しい方やつわりでバランスの取れた食事が難しい方にはサプリメントの利用をおすすめします。

サプリメントは手軽に必要な栄養素を補うことができ、なかでもビタミンB群・葉酸・鉄分・カルシウムなどの妊活中・妊娠中に大切な栄養素をバランスよく摂取するのに優れています。

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