妊婦さんの貧血対策と鉄分不足を補う食べ物

日常的に貧血気味の方も多いと思いますが、女性は妊娠するとさらに多くの血液が必要になってきます。今まで健康診断で貧血と診断されたことが無かった人であっても、妊娠すると貧血と診断される人も出てきます。
そこで貧血対策として重要なのが鉄分の摂取。鉄分が豊富に含まれた食品をしっかり摂取して、妊娠時の貧血対策をしましょう。
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管理栄養士が監修

BELTA専属 管理栄養士
鳴海 菜々恵
(なるみ ななえ)
妊婦特有の貧血「鉄欠乏性貧血」

妊娠中には貧血になりやすいと言われており、その場合ほとんどが鉄欠乏性貧血です。
妊娠中は、ママの体内にある様々な栄養素が赤ちゃんに優先して運ばれます。鉄分もそのひとつです。赤ちゃんの発育のために必要な鉄分を分け与えることで、ママの体内にある鉄分量は不足します。また、つわりにより食事がとりづらい場合は、栄養バランスも乱れがちになります。
その結果、血液中の鉄分が不足し、体内に貯蔵した鉄が減っていきます。さらに減ってしまうとヘモグロビンが作られなくなり貧血となります。体中に酸素が行き届かなくなることで、眩暈や立ちくらみ、頭痛や息切れといった貧血の症状を招いてしまいます。
1日あたりの鉄の推奨摂取量
女性の1日あたりの鉄の推奨摂取量は以下の通りです。
月経がある時期は、月経なしの時期に比べて、4mg多く鉄分を摂取する必要があります。また、妊娠中は月経なしの時期に比べて、2.5mg~9.5mg多く摂取することが推奨されています。
月経なし | 月経あり | |
---|---|---|
18〜49(歳) | 6.5mg | 10.5mg |
妊娠初期(付加量) | +2.5mg | ー |
妊娠中期・後期(付加量) | +9.5mg | ー |
※参考:鉄の食事摂取基準
鉄分補給におすすめの食べ物
ヘム鉄と非ヘム鉄
鉄分は肉や魚に含まれるヘム鉄と、野菜などに含まれる非ヘム鉄の2種類に分けられています。
吸収率が高いのは一般的にヘム鉄と言われていますが、ヘム鉄を含む食品は味にクセのあるものが多いため、人によっては食べられないというケースや、妊娠中のため生の魚介類やレバーの摂取を控える人も多いです。
ヘム鉄の吸収率がいくら高くても、摂取できなければ意味がありません。非ヘム鉄を含む食材も組み合わせて、十分な量の鉄分を摂取できるようにしましょう。
※参考:鉄(厚生労働省)
ヘム鉄が豊富な食べ物の例

食材(g) | 含まれている鉄分量 |
---|---|
豚レバー(生50g) | 6.5mg |
鶏レバー(生50g) | 4.5mg |
牛レバー(生50g) | 2.0mg |
カツオ(生50g) | 1.0mg |
きはだまぐろ(生50g) | 1.0mg |
非ヘム鉄が豊富な食べ物の例

食材(g) | 含まれている鉄分量 |
---|---|
調整豆乳(200g) | 2.4mg |
納豆(50g) | 1.7mg |
大豆(ゆで30g) | 0.7mg |
小松菜(ゆで75g) | 1.6mg |
春菊(ゆで75g) | 0.9mg |
ほうれん草(ゆで75g) | 0.7mg |
鉄分の吸収を助けてくれる栄養素
貧血対策には鉄分を多く摂取すれば良いと思いがちですが、体内で血液を作るためには、鉄分以外の栄養素のサポートが必要になります。
相乗効果のあるタンパク質、ビタミンC、葉酸やビタミンB12を一緒に摂取して、効率よく貧血対策をしましょう。
栄養素 | 役割 |
---|---|
タンパク質 | タンパク質に入っているヘモグロビンは血液で酸素を体に運ぶ役割をします。 |
ビタミンC | 鉄分の吸収を促進してくれる栄養素。体内では作られないため食事やサプリメントで補う必要があります。 |
葉酸+ビタミンB12 | 葉酸は赤ちゃんの神経細胞をつくるための有名な栄養素ですが、ビタミンB12とセットで摂取することによって造血作用があります。 |
鉄分の吸収を阻害するものに注意

鉄分の多い食品を意識して摂ることも大切ですが、鉄分の摂取を妨げるものを避けることも大切です。コーヒー、紅茶、緑茶に含まれるタンニンは、非ヘム鉄の吸収を阻害します。タンニンを含む飲み物は、食事から1時間程度間隔をあけてから飲むのがおすすめです。
サプリメントで効率よく鉄分を摂取しよう

ベルタ葉酸サプリは、1日の摂取目安量4粒に鉄を23.2mg配合しているため、妊娠中期・後期の推奨摂取量21.5mg以上の鉄を手軽に摂取できます。
鉄以外にも、葉酸・亜鉛・ビタミンD・ビタミンB6を、妊婦さんの1日あたりの推奨摂取量配合(厚生労働省・日本人の食事摂取基準2015年版)しています。
さらに、ビタミンC、ビタミンB12も配合しているためおすすめです。