妊娠中に薬を飲んでも大丈夫?赤ちゃんへの影響と薬との付き合い方

妊娠中の悩んでいる女性

「妊娠してることに気がつかないで薬を飲んでいた」など、妊娠中に薬を飲むことで、
「お腹の中の赤ちゃんに悪い影響が出てしまうのではないか?」と心配になる方も多いと思います。

ここでは、薬による赤ちゃんへの影響や、薬との上手な付き合い方についてご説明していきます。妊娠中に気をつけるべき点を知り、上手に薬と付き合っていきましょう。

薬剤師が監修

BELTA薬剤師の顔写真

BELTA専属 薬剤師
八角 昌宏 (やすみ まさひろ)

薬の影響は妊娠時期によって異なります

妊娠周期カレンダー

妊娠4週未満の場合は薬の影響はほとんどない

妊娠4週未満の場合、薬を飲んでいたとしても、基本的に心配はありません。

この時期はまだ、赤ちゃんの器官が形成される前の段階です。妊娠前や妊娠に気づかないで薬を服用していたとしても、ほとんど影響がないと考えられます。

妊娠4〜7週は薬の影響を最も受けやすい時期

この時期は赤ちゃんの心臓などの重要な器官が作られるので、薬の影響を最も受けやすいとされている絶対過敏期です。薬の服用には十分気をつけましょう。

もしも薬を服用する時は、市販薬であれば、妊娠中に使って問題ないかをしっかりと調べ、病院で処方された薬の場合は、かかりつけの医師や薬剤師に相談をしてから服用しましょう。

妊娠8〜15週も注意が必要な時期

この時期は心臓などの重要な器官の形成は終わっているので、奇形を起こす可能性は妊娠4週〜7週に比べると低下します。しかし、手や足などの末端器官が作られる時期なので、まだまだ注意が必要です。慎重に使いましょう。

妊娠16週以降は安定期に入るため、ほとんど影響を受けなくなる

この時期になると、赤ちゃんの体のほとんどは作られている状態です。なので薬による奇形の心配はほとんどありません。

しかし、薬は胎盤を通じて、赤ちゃんに入っていきます。過剰摂取によって、赤ちゃんの成長を妨げてしまう可能性もあるので、注意して使いましょう。

母乳による赤ちゃんへの薬の影響はとても低い

母乳をあげている女性

授乳期の薬の服用も不安になる方もいらっしゃると思います。薬を服用した場合、母乳の中に薬の成分が入り、それを飲むことで赤ちゃんの中に入っていきます。

一部、授乳中には使用できないものもありますが、多くの薬は心配することなく服用することができます。

※参考:https://www.hosp-shizuoka.juntendo.ac.jp/pdf/pr/magazine/kounotori/2017_spring.pdf

妊娠してると気づかずに薬を飲んでしまっても大丈夫?

妊娠4週未満であれば、胎児に影響する可能性は低い

妊娠に気づかずに、薬を服用してしまったという方は多くいらっしゃいます。

ですが、上記にも記述した通り、妊娠4週未満であれば、基本的に赤ちゃんに影響を及ぼすことはほとんどありません。妊娠が順調に進んでいれば、気にしなくても大丈夫です。不安な方はかかりつけの医師に相談しましょう。

それでも注意が必要な薬は?

内用薬

病院で処方された薬

妊娠している可能性がある時、病院から処方された薬を服用する場合は、医師か薬剤師に相談してから服用した方が安心です。また、薬を処方してもらう場合には、妊娠中もしくは、妊娠している可能性があることを伝えましょう。

特に注意したい薬の種類

以下の薬は妊婦さんは避けた方がいい薬です。

  • ・排卵誘発剤や経口避妊薬
  • ・男性ホルモンの作用がある薬
  • ・風疹ワクチン

その他にも、抗ウイルス薬、抗リウマチ薬、抗凝固薬、抗潰瘍薬、高コレステロール血症のくすり、甲状腺のくすり、解熱鎮痛薬の中には、赤ちゃんへ影響する薬もあるため、妊娠中は気をつけておきたい薬です。

※参考:妊娠・授乳とくすり

頭痛薬などの市販薬が影響を及ぼず可能性は低い

薬局に売っている風邪薬や頭痛薬などを使いたいけど、心配という方は多いのではないでしょうか?

これらの薬は病院で処方されるものと比べると成分が弱いものが多いです。なので、数回程度の服用でお腹の赤ちゃんに影響する可能性は低いと考えられます。

しかし、何も気にせず服用できるという訳ではありません。しっかりと付属の説明文書を読んで、妊娠中に使って問題がないかを確認してから使いましょう。

持病で薬を常に服用している場合は?

かかりつけの医師に相談しましょう

持病や、なんらかの病気で常に服用している薬がある方もいらっしゃると思います。

「今まで飲んでいた薬が赤ちゃんに影響があるかもしれない」と考え、薬の服用をやめてしまっては、症状が悪化してしまう可能性があります。まずは、かかりつけの医師に相談しましょう。

パートナーが飲む薬の影響は?

お腹を触っている夫

基本的に影響はありません

男性側の服用している薬が、市販の風邪薬などであれば、赤ちゃんに影響を及ぼす可能性は低いです。

薬だけでなく、気をつけたいサプリメントも

サプリを飲む女性

手軽に栄養を摂取することができるサプリメントがたくさんありますが、妊娠中に気をつけておきたいサプリがあります。

ビタミンAが含まれているサプリ

ビタミンAは目の正常な機能の維持や、からだの成長などに関わっています。ビタミンAは、脂溶性ビタミンで水溶性のビタミンとは違い体に溜まりやすい栄養素です。

ビタミンAは過剰摂取すると、胎児の奇形が増加するという報告されています。レバーやウナギなど、ビタミンAを多く含む食べ物を避けたり、サプリを見直すなど、耐用上限量の2700µgを超えないように気をつけましょう。

薬のことで心配な方は医師や薬剤師にまず相談しましょう。

医師に相談している妊婦

妊娠と薬の関係についてお話ししてきましたが、本当に使って大丈夫なのか不安な方は、一度医師や薬剤師に相談をしましょう。

産婦人科などで処方される薬以外に、使いたい薬がある時は自分で判断するのではなく、相談するのが一番安全です。