ミトコンドリアを活性化して妊娠に向けた準備を

お腹に手を当てている女性

近年注目されている「ミトコンドリア」。妊娠と大きく関係しているとされていますが、ミトコンドリアが妊娠にどのように作用するのか分からないという方も多いのではないでしょうか?

そこで、妊活や妊娠をはじめとした女性のさまざまな悩みに答えられている麻布ウィメンズクリニックの平井千裕先生に、

「ミトコンドリアとは何なのか?」
「ミトコンドリアと妊娠がどのように関係しているのか?」
を分かりやすく解説していただきました。

平井千裕先生
麻布ウィメンズクリニック院長
平井千裕先生

2006年東京女子医科大学医学部卒業。順天堂大学産婦人科学教室へ入局。2014年順天堂大学大学院で博士号取得後、順天堂医院産科病棟医長、同大学准教授などを経て、2020年9月に麻布ウィメンズクリニックを開院。院長就任。

卵子の質や妊娠率に大きく影響しているミトコンドリア

ミトコンドリアとは

ミトコンドリア

人間の体には60兆個の細胞があり、ミトコンドリアはその各細胞内に100〜2000個程度含まれています。ミトコンドリアは、食事から分解された栄養素(糖・脂肪・タンパク質)と酵素を反応させてエネルギーを生み出す「発電所」で、私たちの体内エネルギーのなんと95%を作っています。
また、細胞分裂周期とは関係なく、細胞が必要だと判断した時に半自律的に増殖することができます。

しかし一方、そのエネルギー生産過程で0.1%〜2%が“活性酵素に変わります。少量の活性酵素は、細菌・ウイルスの殺菌やがん細胞を殺すのに大切ですが、過剰に発生すると正常細胞や遺伝子を攻撃し、ミトコンドリア自身をも傷つけてしまいます。

ミトコンドリアは加齢とともに数が減ることが分かっており、数が減るとおのおののミトコンドリアに負担がかかり活性酵素をより多く生み出し、自身を傷つけることで更に活性酵素を生み出すという悪循環へと陥ってしまうのです。

また、活性酵素による酸化ストレスは、加齢のほか、心身ストレス、食品添加物、たばこ、激しい運動、多量飲酒、紫外線などでも増えるといわれています。

最適な活性酵素の状態を維持し、新陳代謝を活発にしてエネルギッシュに生きていくためには、ミトコンドリアを増やし活性化させることが大切というわけですね。

※参考:ミトコンドリア|e-ヘルスネット(厚生労働省)

ミトコンドリアと卵子の老化

5歳を過ぎると、妊娠率が低下し流産率が増加するといわれています。これは、卵子の染色体異常や胚発育の悪化、つまり「卵子の老化」が原因とされています。

ミトコンドリアと卵子の老化

卵子には、通常の体内細胞の約100倍以上にあたる10万〜20万個のミトコンドリアが存在しており、ミトコンドリアの生成するエネルギーによって卵子成熟〜受精〜胚発育〜着床〜胎児成長することができます。

卵巣中にある卵子(原始細胞)は、胎児期(妊娠5カ月頃)をピークに減少し、閉経まで増加することはありません。年齢とともにミトコンドリアの機能が低下すると卵子の質が落ちてしまい、結果的に妊娠率低下につながってしまうのです。

日々の健康的な生活とサプリメントでミトコンドリアを活性化

ストレスや食生活もミトコンドリアに影響

頭を抱えている女性

ここまでは加齢と卵子の質の関係について話してきましたが、加齢だけでなく日々のストレスや食生活にもミトコンドリアは影響を受けています。女性の社会進出が進み頑張る女性が増えた一方で、女性が受けるストレスは多くなっているかもしれません。

ストレスをすぐになくすことは難しいですが、まずは日々適切な食事や運動など規則的な生活を心掛けることが大切です。「体がエネルギーを欲する状態にしてあげる」、これがミトコンドリアを増やし活性化することにつながります。

①有酸素運動
②空腹を感じる、腹7〜8分目のカロリー摂取制限
③抗酸化力を高める食事

などがおすすめです。

十分な栄養素をとるためにカロリーオーバーになってしまうことも多いです。抗酸化作用のビタミン類やミトコンドリア活性化を補うサプリを、その手助けとしてとってあげると安心できるかもしれないですよね

抗酸化作用のビタミン類やミトコンドリア活性化を補うサプリを

将来のために早いうちから意識をしよう

卵子の質や妊娠率とミトコンドリアの関係について話してきましたが、ミトコンドリアの活性化は日々の元気な生活のためにも必要なことです。妊活を始めようというタイミングではなく、若いうちから自分の美容・健康のために準備していたことが、ゆくゆく妊娠を考えた時、子供を授かった時にためになると思っておきましょう。

男性にとっても、ミトコンドリアは精子が動くエンジンのようなもの。精子の質を向上させる意味でも、ぜひお二人で始めてみてはいかがですか。