妊活にビタミンDが
効果的な理由とは?

妊活時に摂りたい栄養素は色々ありますが、その中でもビタミンDは妊活に効果があると言われている栄養素の一つです。この記事では、ビタミンDが妊活に効果的な理由、1日の摂取量や摂り方について詳しく解説します。

管理栄養士が監修

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BELTA専属 管理栄養士
鳴海 菜々恵 (なるみ ななえ)

ビタミンDが妊活に効果的な理由

ビタミンDはカルシウムの吸収を促進し、骨の成長を助けるビタミンです。
また、免疫機能の調整や細胞の成長・分化にも関与しており、健康維持には欠かせない栄養素です。
それだけでなく、妊活においてもビタミンDが重要であることが近年の研究で分かってきました。

※参考:公益財団法人長寿科学新興財団 健康長寿ネット ビタミンDの働きと1日の摂取量

妊娠率や着床率への影響

妊娠を望む女性にとってビタミンDは非常に重要な栄養素です。

2019年に発表された論文において、体内のビタミンDが低いと妊娠率や着床率も低くなることが明らかになりました。

この研究には不妊治療中の女性500名が参加し、ビタミンD濃度によって欠乏・不足・充足の3グループに分けられました。
参加者の83.5%は欠乏・不足に分類され、不妊治療中の方はビタミンD濃度が低い傾向がありました。

また、グループごとの治療成績を比較すると、ビタミンDが不足・欠乏している人は着床率や妊娠率が低い傾向があります。

ビタミンDとART(生殖補助医療)の成績に関するグラフ

※作図参考:Vitamin D and assisted reproductive treatment outcome: a prospective cohort study

さらに2019年に発表された論文でも、ビタミンD濃度と生殖能力(周期ごとの妊娠確率)の関係が示されています。
30~44歳の女性500に対して行われた実験の中で、ビタミンD充足群(30-40 ng/ml)と比較してビタミンD欠乏群(≦20 ng/ml)の生殖能力は推定で45%減少することが示されています。

ビタミンDと生殖機能(周期ごとの妊娠確率)のグラフ

※作図参考:Pre-conception 25-hydroxyvitamin D (25(OH)D) and fecundability

まとめると…

・不妊治療を行っている方の多くはビタミンD濃度が低い

・ビタミンD濃度が低いと着床率・妊娠率・出生率が低い

男性の精子にも影響

女性だけでなく、妊活中の男性にとってもビタミンD濃度を上げることは非常に重要です。

2011年から2014年に行われた調査で、ビタミンDが欠乏すると男性の精液所見も低下することが示されました。
この論文の中で、ビタミンDが欠乏(<10ng/ml)している男性は、体内のビタミンD濃度が十分(>30ng/ml)な男性に比べて精子の運動率、運動精子数が少ない傾向があります。

ビタミンDと精子の運動のグラフ

※対象は射精後4時間後の精子

※作図参考:Vitamin D deficiency and low ionized calcium are linked with semen quality and sex steroid levels in infertile men

他にも2023年に出版された論文では、不妊症の男性がビタミンDを摂取すると、精子の運動率や形態の改善がみられたことが報告されています。

※参考:Vitamin D supplementation for improving sperm parameters in infertile men: A systematic review and meta-analysis of randomized clinical trials

まとめると…

・ビタミンD濃度が低いと精子の運動能力が低下する

・不妊症の男性がビタミンDを取ると精子の質が改善する可能性がある

1日のビタミンDの摂取量

厚生労働省によると、妊婦・授乳婦を含む成人女性と成人男性の摂取目安量は8.5µgとされています。
ビタミンDの過剰摂取は高カルシウム血症を引き起こすため、摂りすぎには注意が必要です。

性別 男性 女性
年齢 目安量(µg) 耐用上限量(µg) 目安量(µg) 耐用上限量(µg)
18~29(歳) 8.5 100 8.5 100
30~49(歳) 8.5 100 8.5 100
妊婦 8.5 100 8.5 -
授乳婦 8.5 100 8.5 -

※参考:厚生労働省  日本人の食事摂取基準(2020年版)

※参考:厚生労働省 平成30年国民健康・栄養調査報告

日本人は慢性的にビタミンDが不足している

多くの日本人は屋内での活動が多く、十分な日光を浴びていないためにビタミンDが不足しがちです。日焼け止めの使用といった紫外線対策も不足の要因の1つです。
さらに、魚を食べる習慣も減っているため、ビタミンDを日々の食事だけで賄うことが難しくなっています。

最近の調査では98%の日本人がビタミンDが不足しており、女性の多くは推奨量の30%程度しか摂取できていない状態です。

ビタミンDの摂取量に関するグラフ

※参考:東京慈恵会医科大学 調査報告書報告

※参考:厚生労働省 平成30年国民健康・栄養調査報告

ビタミンDの摂り方・増やし方

ビタミンDの主な摂り方・増やし方は3つです。

・食べ物から摂取する
・日光を浴びる
・サプリメントを利用する

ビタミンDを含む食べ物

ビタミンDを含む食べ物

魚類

特にサーモンやマグロ、サバなどの脂質が多い魚はビタミンDの良い源です。これらの魚を週に数回食べることで、ビタミンDの摂取量を増やすことができます。

きのこ類

日光を浴びて育ったきのこ類はビタミンDが豊富です。特に、シイタケやマイタケなどはビタミンDが多く含まれています。

日光浴で紫外線を浴びる

日光を浴びる女性

ビタミンDの生成には紫外線が必要です。日中に短時間(約10〜15分)日光に当たることで、ビタミンDの生成を助けることができます。
ただし、過度の日光は皮膚に悪影響を及ぼすため、長時間の直射日光は避けるましょう。

妊活中はサプリメントからの摂取がおすすめ

サプリメントを摂取する女性

日光浴や食事で補えない場合は、サプリメントを活用しましょう。
特に妊活中はビタミンDの体内濃度の維持が重要なため、継続して摂取できるサプリメントはおすすめです。

サプリなら摂りすぎの心配もない

サプリメントのイラスト

ビタミンDは天然型と活性型の2つがあります。
サプリメントに配合されている天然型は代謝によって活性型へと転換します。体内で調整を受けるため、過剰摂取になることはほとんどないと言われています。

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管理栄養士

BELTA専属 管理栄養士 鳴海菜々恵
鳴海菜々恵
BELTA専属 管理栄養士

健康栄養学部管理栄養学科を卒業後、保育園管理栄養士として6年の実務経験を積む。現在はBELTAの専属栄養士として電話やメールの相談窓口で多くのBELTAユーザーをサポート。

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