カルシウムの効果とは?
妊娠中や出産後は積極的に摂取を
日本人は一般的にカルシウムの摂取量が不足気味だと言われています。日本人の平均的な食生活では、乳製品の摂取量が少なかったり、魚や小魚を食べる習慣が減ったりとカルシウムを十分に摂取できていないことが多いです。
そんな不足気味なカルシウムですが、妊娠中や出産後はしっかり補う必要がある栄養素でもあります。
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管理栄養士が監修
BELTA専属 管理栄養士
鳴海 菜々恵
(なるみ ななえ)
カルシウムの効果
カルシウムが妊娠中や出産後に必要な理由は以下の通りです。
- ・赤ちゃんの骨や歯の発育に関わる
- ・産後の骨粗しょう症予防
- ・神経のコントロール
赤ちゃんの骨や歯の発育に関わる
カルシウムはお腹の赤ちゃんにとって骨や歯の発育に不可欠です。特に妊娠後期では、お腹の赤ちゃんの骨格が急速に成長するため、十分なカルシウムが必要です。
ママからカルシウムが赤ちゃんにしっかり行き渡らないと、赤ちゃんの骨や歯の密度に影響が出てしまいます。
産後の骨粗しょう症予防
産後は母乳から赤ちゃんにカルシウムを届けるため、カルシウムが不足しやすいと言われています。また、この時期は、ホルモンバランスの乱れによって、骨量が減りやすい状態であることがわかっています。
カルシウムが不足してしまうと骨密度が下がってしまうため、骨粗しょう症の予備軍となってしまいます。
神経のコントロール
カルシウムは血液、神経、筋肉に存在し、いろいろな働きをしています。心臓の働きや脳の働きなどをコントロールしてくれる役割があり、生きるためには不可欠なミネラルなのです。
そのため、カルシウム不足になるとイライラが増えストレス増加にもつながります。怒りっぽく、カリカリしている人が「カルシウムが不足している」と言われるのもこのカルシウムの効能から言われています。
カルシウムの推奨摂取量
日本人の食事摂取基準(2020年版)で発表されているカルシウムの必要量と推奨量は以下の通りです。
妊娠する可能性が高い18~49歳女性は推定平均必要量・推奨量も変わらない結果となりました。
年齢 | 推定平均必要量 | 推奨量 |
---|---|---|
18~29歳 | 550mg | 650mg |
30~49歳 | 550mg | 650mg |
カルシウムの食事摂取基準(女性)(mg/日)
※参考:カルシウムの働きと1日の摂取量
カルシウムは不足気味
厚生労働省の行った国民栄養調査(令和4年)では、1日のカルシウム推奨量650mgに対して、20代~40代の妊娠の可能性が高い年齢の女性は、約マイナス200~300mgとなっています。
年齢 | カルシウム平均摂取量 (1人1日当たり) |
---|---|
20~29歳 | 359mg |
30~39歳 | 390mg |
40~49歳 | 422mg |
※参考:令和4年「国民健康・栄養調査」
このように、日頃200~300mgのカルシウム不足である可能性があることを考慮すると、妊娠・産後はもちろんのこと、そうでなくともカルシウムを意識して補うことが必要です。
カルシウムが多く含まれる食品
カルシウムが多く含まれる食材というと骨が食べられる小魚や牛乳が知られていますが、他にも様々なものがあります。
カルシウムが豊富に含まれるおすすめの食品を紹介します。
食品名 | 摂取量 | 含有量 |
---|---|---|
牛乳 | コップ1杯(200g) | 220mg |
ヨーグルト | 1パック(100g) | 120mg |
プロセスチーズ | 1切れ(20g) | 126mg |
小松菜 | 1/4束(70g) | 119mg |
菜の花 | 1/4束(50g) | 80mg |
水菜 | 1/4束(50g) | 105mg |
切り干し大根 | 煮物1食分(15g) | 81mg |
ひじき | 煮物1食分(10g) | 140mg |
さくらえび(素干し) | 大さじ1杯(5g) | 100mg |
ししゃも | 3尾(45g) | 149mg |
木綿豆腐 | 約1/2丁(150g) | 180mg |
納豆 | 1パック(50g) | 45mg |
厚揚げ | 1/2枚(100g) | 240mg |
カルシウムの吸収を高めてくれる栄養素
栄養素の中にはカルシウムの吸収率を高めてくれる栄養素があります。
そのため、以下の栄養素と一緒に摂取すると効果的です。
ビタミンD
ビタミンDはカルシウムの吸収を促進し、骨の成長を助けるビタミンです。
ビタミンDをしっかり摂取することで、腸内のカルシウムの吸収率が向上し、体内で効率よくカルシウムが活用されます。
※参考:ビタミンDの働きと1日の摂取量
クエン酸
お酢や、すっぱいフルーツなどに多く含まれているクエン酸ですが、カルシウムと同時に摂ることで、カルシウム吸収を高めてくれる働きがあります。
胃の中で酸性環境を提供し、カルシウムをより溶けやすい形に保つため、体内での吸収率を高める役割を果たします。
マグネシウム
カルシウムは腸で吸収されますが、その吸収率はさまざまな要因に影響されます。その1つに、同じミネラルであるマグネシウムの存在があります。マグネシウムはカルシウムとバランスを保ちながら体内で重要な役割を果たしており、両者は一緒に働くことが多いです。マグネシウムが不足すると、カルシウムの代謝や利用に影響を与えることが知られています。
つまり、マグネシウムとカルシウムは、健康を維持するためにセットで摂取することが大切なミネラルだと言えます。
サプリメントで効率よく摂取しよう
妊娠中にカルシウムを不足させないことは大切なことですが、つわりなどで上手く補えない場合もあります。
そこでサプリメントを上手に利用して、しっかり1日に必要な量のカルシウムをしっかり摂取するようにしましょう。