GABA(ギャバ)の効果や副作用とは?多く含む食品も紹介
GABAとはアミノ酸の一種で、ストレスの軽減や睡眠の質の向上、血圧の上昇を抑える効果などがあることがわかっています。
GABAの効果や副作用、摂取量の目安とタイミング、多く含まれる食品を紹介します。
管理栄養士が監修
BELTA専属 管理栄養士
鳴海 菜々恵
(なるみ ななえ)
GABA(ギャバ)とは
GABAとは、ガンマアミノ酪酸(Gamma Amino Butyric Acid)の略称で、アミノ酸の一種です。
体の中で作られる成分で、人間では特に脳や脊髄に多く存在しています。
興奮状態や緊張状態を抑える抑制系の神経伝達物質として使われています。
現代のストレス社会で、注目され始めた成分
現代はストレス社会と言われており、メンタルの不調による病気なども多く存在しています。そこで注目されはじめたのがGABAです。
GABAを摂取すると交感神経を抑制して、興奮や緊張、ストレスを落ち着かせることが明らかになっています。
GABAは普段から人間の体内で作られますが、過度のストレスを感じると多くのGABAが消費され、不足することがあります。
そうすると体が疲れやすくなったり、リラックスできないなどの状態に陥ることがあります。
GABAの効果
さまざまな効果を期待できるGABAですが、その主な効果は以下の通りです。
リラックス効果でストレスを軽減する
交感神経が働き緊張状態になると、ストレスを感じやすくなります。
GABAを摂取すると、睡眠時やリラックスしている時に働く副交感神経を活発に働かせることできるので、リラクゼーション効果が期待できるとされています。
実際に12名の健康な若い男性に30mgのGABAを与える実験では、摂取30分後から副交感神経活動が明らかに上がったことがわかっています。
別の研究では、GABAを摂取すると緊張やストレスを軽減するα波が上昇するという結果もあり、こちらもストレスに効果があることがわかっています。
血圧を下げる
GABAには血圧を下げる効果もあります。
血圧が高めの成人や軽症の高血圧者にGABAを摂取させる研究では、副作用を伴うことなく血圧が改善されたという結果が出ています。
睡眠の質を高める
GABAには睡眠の質を高める効果も期待できます。
高齢者を対象に行った実験では、就寝30分前に100mgのGABAを摂取したところ眠りに入るまでの時間やノンレム睡眠時間、起床時の気分などがプラセボと比較して有意に改善したという結果が報告されています。
この研究からGABAが寝つきや深い眠りを改善し、睡眠の質を高めることが明らかになっています。
肌弾力の維持
GABAは肌のハリ・弾力の改善にも効果があるとされています。
皮膚の弾力性を確かめる実験では、GABAを8週間摂取することで季節の変化による肌の弾力性の悪化を抑制したという結果もあります。
GABAは肌のターンオーバーの促進やヒアルロン酸の産生の促進、皮膚のバリア機能の改善にも関わっているという研究もあり、美肌効果も期待されています。
中性脂肪の上昇を抑える
GABAには膵臓や肝臓の代謝をあげ、血液中の中性脂肪の上昇を抑える効果も期待できます。
血液中の中性脂肪がやや高い人がGABAを1日100mg、4週間摂取したところ中性脂肪の平均値が摂取前の111.1mg/dlから76.0mg/dlに低下し、正常値に改善したという報告があります。
GABAの副作用
これまでGABAの副作用による被害は報告されていません。
しかし、特定の成分や栄養素の過剰摂取は体に悪影響が出る可能性があります。
GABAの過剰摂取は胃腸トラブルや疲労感の増大などを引き起こす恐れもあります。
また、基礎疾患や持病をお持ちの方、妊娠中・妊娠の可能性がある方、授乳中の方はGABAの過剰摂取には注意が必要です。
GABAの1日の摂取量の目安とタイミング
GABAの1日の摂取目安量は30mg以上です。
摂取効果は摂取後2〜4週間後から出始め、4〜8週間でより高まることが多くの試験で明らかになっているため、継続的な摂取が効果的です。
GABAを効果的に摂取するには自身にあったタイミングで継続的に摂取することが大切です。
ある研究では、血中のGABAは1時間をピークに急速に減少するとの報告もあります。そのためより効果を高めたい場合は、効果を期待する30分〜1時間前に摂取するのをおすすめします。
GABAが多く含まれている食品
GABAは漬物などの発酵食品やかぼちゃ、メロンなどの野菜や果物に多く含まれています。
各食品の100gあたりのGABAの含有量の目安は以下の通りです。
種類 | GABA含有量(mg/100g) |
---|---|
トマト缶詰 | 95mg |
メロン | 63.0~96.3mg |
たくあん | 39~95mg |
キムチ | 38~84mg |
奈良漬 | 58mg |
西洋かぼちゃ | 56mg |
野菜ジュース | 56mg |
大豆もやし | 40mg |
ミニトマト | 35mg |
なす | 32mg |
じゃがいも | 28mg |
発芽玄米 | 5.2mg |
※参考:ギャバ(GABA)の効能と有効摂取量に関する文献的考察
※参考:機能性成分含有量データ(抜粋)
GABAをより効果的に摂取するには?
GABAをより効果的に摂取するためのおすすめの方法を紹介します。
ビタミンB6を摂る
ビタミンB6には、タンパク質をアミノ酸に分解する機能を持っていて神経伝達物質であるアミノ酸(GABA)の生成をサポートする働きがあるため、同時に摂取したい栄養素の一つです。
※参考:ビタミンB6|特徴|働き
ビタミンB6を多く含む食べ物は?腸内環境を整える
GABAを摂取すると腸から吸収され、その後血中に取り込まれます。
そのため、GABAをより効果的に摂取するためには腸内環境を整えることが必要です。
腸内環境を整えるには善玉菌の割合を増やすことが大切なので、ヨーグルトや発酵食品など乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が含まれる食品を日々の食事に取り入れましょう。
サプリで効率的に摂取
発酵食品や野菜からGABAを摂取できますが、食品から摂取可能なGABAの量は少量のため、食事だけで効果を感じるほどの量を摂るのは難しいかもしれません。
サプリメントや機能性表示食品であれば手軽で効率的に十分な量のGABAを摂取することができます。
食事に加えてサプリメントや機能性表示食品を上手に活用して、適切な量のGABAを摂取していきましょう。
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