ビタミンB6を多く含む食べ物は?つわりに効果的?
ビタミンB6は水溶性のビタミンで、様々な働きを持っています。ここでは、ビタミンB6の働きや多く含まれている食品、つわりとの関係について紹介していきます。
妊娠中のママにしっかり摂っていただきたい栄養素なので、摂取する際に役立てていただければと思います。
管理栄養士が監修
BELTA専属 管理栄養士
鳴海 菜々恵
(なるみ ななえ)
ビタミンB6の働き
ビタミンB6は主に以下の働きがあります。
- ・補酵素としてアミノ酸の代謝をサポート
- ・皮膚や粘膜の抵抗力を高める
- ・免疫機能の正常な働き
- ・赤血球のヘモグロビンの合成
- ・神経伝達物質のサポート
- ・脂質の代謝
補酵素としてアミノ酸の代謝をサポート
ビタミンB6は補酵素として、アミノ酸の代謝をサポートしています。
酵素は体の中で行われる、消化・吸収・代謝などに必須の成分ですが、ビタミンB6などの補酵素がなければ、一部の酵素がうまく働かないと言われています。
そのため、ビタミンB6は体の中でもとても大切な栄養素の一つです。
またビタミンB6は、タンパク質の代謝と深く関わりがあり、タンパク質からエネルギーを作ったり、筋肉や血液を作ったりしています。なので、皮膚の抵抗力を高める働きや、ヘモグロビンの合成などにも関わっています。
神経伝達物質のサポート
神経伝達物質とは、GABA、アドレナリン、ノルアドレナリン、セロトニンなどのことです。これらの物質はアミノ酸によって作られます。
なので、ビタミンB6をしっかりと摂り、アミノ酸の代謝が促進されることによって、神経伝達物質の合成に繋がり、イライラを軽減する効果も期待できます。
ビタミンB6はつわりに効果的
つわりの原因の一つに、ビタミンB6不足が考えられます。
ビタミンB6が不足するとうまくアミノ酸の代謝が行われず、吐き気などの症状につながると考えられています。
妊娠中はビタミンB6の推奨量も上がるため、しっかりと摂取することが大切です。
すでに、アメリカの米国産科婦人科学会では、つわりの症状に対してビタミンB6を摂取する治療法を取り入れられており、日本産婦⼈科ガイドラインでも、つわりに対して、ビタミンB6を投与するという治療法が記載されています。
野菜類でビタミンB6が多く含まれる食品
食材(100g) | 含有量 |
---|---|
ししとう | 0.39mg |
モロヘイヤ | 0.35mg |
ブロッコリー | 0.30mg |
切り干し大根 | 0.29mg |
西洋カボチャ | 0.22mg |
ししとう
あまり馴染みのない食べ物かもしれませんが、ししとうにはビタミンB6が100g当たり、0.39mg含まれています。ししとうは唐辛子の一種ですが、あまり辛くないのが特徴です。
モロヘイヤ
モロヘイヤにはビタミンB6が100g当たり、0.35mg含まれています。モロヘイヤは遥か昔のエジプトから食用として使われていました。アラビア語で「野菜の王様」という語源からきており、ビタミンB6以外にもカルシウムなど、多くの栄養素を含んでいます。
魚介・肉類でビタミンB6が多く含まれる食品
食材(100g) | 含有量 |
---|---|
マグロ | 0.94mg |
カツオ | 0.76mg |
シロサケ | 0.64mg |
牛レバー | 0.89mg |
鶏のささみ | 0.66mg |
鶏の胸肉 | 0.64mg |
マグロ
マグロには100g当たり、0.94mgものビタミンb6が含まれているので、馴染みのある食べ物の中では多く含まれています。
しかし、妊娠中の場合は注意が必要です。生魚には水銀が含まれています。水銀を摂りすぎるとお腹の赤ちゃんによくない影響があるので、なるべく避けた方が安全です。
牛レバー
牛レバーには100g当たり、0.89mgのビタミンB6が含まれています。
しかし、レバーにはビタミンAが多く含まれています。ビタミンAを摂りすぎてしまうと、頭痛や吐き気を催すだけでなく、妊娠中の場合は、奇形児や流産の可能性も上昇してしまいます。
動物性の食品からビタミンB6を摂取するときは十分に気をつけましょう。
※参考:食生活の10のポイント
果物でビタミンB6が多く含まれる食品
食材(100g) | 含有量 |
---|---|
バナナ | 0.38mg |
アボカド | 0.29mg |
キウイ | 0.14mg |
マンゴー | 0.13mg |
バナナ
バナナには100g当たり、0.38mgのビタミンB6が含まれています。魚介・肉類と比べると少なく感じますが、果物のため手軽に食べやすく、栄養価も高いのでとてもおすすめです。
ビタミンB6の推奨量
ビタミンB6の推奨量は女性と男性で異なります。女性は妊娠すると必要量も増えるので確認しておきましょう。
女性の推奨量は1.1mg
女性の推奨量は1日当たり、1.1mgとされています。
推奨量 | 上限量 | |
---|---|---|
18〜29歳 | 1.1mg | 45mg |
30〜49歳 | 1.1mg | 45mg |
50〜64歳 | 1.1mg | 45mg |
妊婦・授乳中の場合
妊娠中や授乳中はそれぞれビタミンBの推奨量が上がります。
具体的には妊婦さんの場合は+0.2mg、授乳中の場合は+0.3mg増加します。
推奨量 | |
---|---|
妊婦 | 1.3mg |
授乳中 | 1.4mg |
男性の推奨量は1.4mg
男性の推奨量は1日当たり、1.4mgとされています。
推奨量 | 上限量 | |
---|---|---|
18〜29歳 | 1.4mg | 55mg |
30〜49歳 | 1.4mg | 60mg |
50〜64歳 | 1.4mg | 55mg |
過剰摂取の心配はほとんどない
ビタミンB6が過剰摂取になることはほとんどありません。その理由は、ビタミンB6は水溶性のビタミンなので水に溶けやすく、たくさん摂ったとしても尿として排出されるからです。
もしも過剰摂取になってしまった場合の症状としては、感覚神経障害や骨の痛み、筋肉の減少などが当てはまります。
上記で記述した上限量を超えないように気をつけましょう。
※参考:ビタミンB6|特徴|働き
ビタミンB6が不足した場合の症状
ビタミンB6は多くの食品に含まれているため、ほどんどの場合、不足することがありません。ですが、もし不足した時に現れる症状としては以下のことがあります。
皮膚炎・口内炎
肌荒れにはビタミンということをよく耳にする方が多いかもしれませんが、ビタミンB6が不足した時の一つの症状として、肌荒れ、皮膚炎や口内炎があります。
貧血
ビタミンB6は赤血球のヘモグロビンを作る働きもあるので、不足してしまうと貧血になる可能性があります。その他にも、貧血に伴い、顔色が悪くなったり、息切れをしたりという症状も考えられます。
うつ病・脳波異常
ビタミンB6は神経伝達物質のサポートする働きがありますが、不足してしまうと、うつ状態や脳波の異常を引き起こす可能性があるとされています。
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