助産師がお話する出産の心構え
出産はママと赤ちゃんの
チームワークが大切!
フェムケア
NPO法人日本マタニティ整体協会理事であり、助産師の福原真理様にご登壇いただき、出産の心構えについてお話いただきました。
本レポートでは当日お話いただいた内容を抜粋して、イベントをご紹介します。
登壇者紹介
- NPO法人日本マタニティ整体協会理事 助産師
- NPO法人日本マタニティ整体協会理事 助産師
- 福原 真理
- 助産師として、また産前産後ケアとして、マタニティ整体・アロマ音叉・リボーンドールセラピー・ガスケアプローチ・講師活動など、出張や自宅サロンという形で活動しています。ただ痛みをとるだけでなく、目の前で起こった現象に気づきを得ることができるなど、潜在意識に働きかけるアプローチをしています。
助産師として、また産前産後ケアとして、マタニティ整体・アロマ音叉・リボーンドールセラピー・ガスケアプローチ・講師活動など、出張や自宅サロンという形で活動しています。ただ痛みをとるだけでなく、目の前で起こった現象に気づきを得ることができるなど、潜在意識に働きかけるアプローチをしています。
どんなふうに産みたいのかを
イメージしてみましょう
あなたはどんなふうに産みたいのかイメージできていますか。
本当に大事なのは、ご自身の感覚を信じることです。
現在は産婦人科に行けば、「分娩経過はこういうもので、陣痛が来たらこのように息んで足を開いて出しましょう」と、自分で産むより病院に行けば産ませてもらえる・産む方法を教えてもらえるスタイルが出来上がっています。
実際は、産む時になると皆さん本能を発揮されるんですが、陣痛が来る前から思考が先走り、頭で「こういう時はああしよう」と極度に頭でっかちになってしまうと、本能の発揮がすごく遅れてしまいます。
なので、自分の体の感覚を産むまでに体感していただくことはとっても大事なことだと私は思っています。
実は産婦さん自身が産み方を知っている
実は産婦さん自身が産み方を知っているんです。
え、どういうこと?私産んだことないし、と疑問に思う方も多いとおもいます。しかし、産む時はご自身が一番知ってますし、そして産まれてくる赤ちゃんが何よりものママの協力者なんです。
赤ちゃんの気持ちに耳を傾ける
赤ちゃんの気持ちに耳を傾けるということを大事にしてほしいなと思います。赤ちゃんは待ってます。すごく心地よい体勢になっていただいて、赤ちゃんを感じましょう。
「私には無理です、分かりません」というスタンスの方もいらっしゃると思います。しかし、リラックスした状態で赤ちゃんを感じた時になんかキラキラとした音を感じるとか、胎動をポコポコする感覚がいつもより少し優しい感じがするとか、私が「赤ちゃん、今日は何してるの?教えて?」って言った時に赤ちゃんの感情が伝わった気がするとか、何か感覚があるかもしれません。
気のせいかもしれないと思うかもしれませんが、パッと思いついたその感覚を大事にしてほしいなと思います。
その癖がついていると、陣痛の時に妊娠中は分からないと思ってた方も、陣痛の時に本能が発揮しやすくなります。
助産師をしていると、例えば分娩が停止してしまいなかなか進みが悪い時に、赤ちゃんが心拍数を通して心地よさ、きつさなどをお知らせしてくれます。少ししんどいよっていう時は、陣痛が来た時にサインを出してくれます。あとは陣痛を赤ちゃんがコントロールして弱めてしまう時などもあります。だから、助産師も分からない時は赤ちゃんに聞いています。
出産は一人じゃない
立ち会い分娩がコロナ禍でできないという病院もあるので、「旦那さんが立ち会えなかった」「病院で一人で産んだの」と思われる妊婦さんもいらっしゃるかもしれません。しかしそれは違います。
お産は赤ちゃんとチームで動くんです。お母さんは一人なんかじゃないんです。
だから私もお産に関わらせていただいた時、あまり助産師が出しゃばるということはしないようにしてます。だって、お産は産婦さんと赤ちゃんのものだから。助産師が出しゃばって呼吸はこうだよと全部指導してしまうと、赤ちゃんとお母さんが一体になって産むということができなくなってしまいます。
なので、私はできるだけ邪魔をしないようにと心がけています。
出産は幸せ?
みなさん赤ちゃんにお声かけされていると思いますが、赤ちゃんの想いを聞くということは出来ているでしょうか?
赤ちゃんはいつでもママに言いたいことがあります。もちろんママの想いも聞きたいと思っています。赤ちゃんはコミュニケーションしたいんです。
『赤ちゃんの想いを聴く』というスタンスでいると、お産がスムーズにいったりもします。
科学では証明できないことがお産の現場ではたくさんあります。そこに気づくか気づかないかで大きな差が出てくるんです。
陣痛は痛いものではない
『陣痛は痛いです』と病院でも言われますよね。
ところが、私が出会う産婦さんたちは結構な確率で『気持ちいい・・・』っておっしゃるんです。私自身も2人目のお産の時、陣痛が本当に心地よく、気持ちよくってオキシトシンという幸せホルモンがたくさん出たように思います。
そんな風に、周りからの情報で、『陣痛は痛くないと産めないよ』というスタンスになってしまうと本当に陣痛が痛いものになってしまうんです。
誕生を祝福しよう
産道は参道と上図に書きましたが、出産はお母さんの産道を通ると言うのは分かりますよね。下から産む場合は産道を通ります。
でも、私が受け取らせていただく時に感じることは、産道でもあるんですが、神社の参拝する参道でもあるっていう風に感じています。それくらいお産はすごく神聖な場所なんです。
出産の時に大事なのは、
当事者である産婦さんの心の声
出産の時に大事なのは、当事者である産婦さんの心の声です。
なのでご自身がどうありたいか、それをまずは妊娠中のうちから感じ取ってほしいです。心地よいことをたくさん経験してください。
妊娠中のうちからお産のイメージを持ってみたり、お産は気持ちいいものと自分の脳内、体に教え込ませることだけやって、あとは自信を持ってほしいです。陣痛を起こせる私は素晴らしいということを、しっかりと妊娠中に感じてください。
陣痛中も助産師さんに、ふーふーって呼吸しましょうとか力みましょうと指導されるんですが、それにちょっとでも違和感を感じた時は助産師さんに合わせるのではなく、お医者さんに合わせるのではなく、自分がこうしたいと思ったことをしっかりと声に出して言うようにしてくださいね。
お産が遠回りになる可能性だってあるかもしれないので、自分の心の声を大事にしてほしいなと思います。
会話やタッチングをする
例えば旦那さんに「今日1日こんなことがあったよ」ってお話しするとか、お友達とランチに行くとか、あとは旦那さんにタッチングしてもらうとか。
妊娠中から旦那さんが触って、触られて気持ちいいなぁと思えるようになってほしいです。
心地よい体勢を見つける
あとは座り方一つにしても、座ると腰が痛くなる人もいますが、同じ座るでもあぐらより正座が楽とか、椅子で座るよりもちょっと低めの椅子で座る方が楽とか、人それぞれの形があります。
どの座り方をすれば一番楽なのか探してみたり、心地良い寝方なども探してみてください。
マタニティ整体の認定店に行っていただければ、本当に心地いい体勢というものも、もしかすると教えていただけるかもしれないです。私はどの体勢が一番楽なんだろうかっていうことを見ていただくのも大切かもしれないですね。
助産師の役割
先ほどもお話しさせていただきましたが、助産師の役割は黒子なんです。
黒子は黒い頭巾をかぶった影武者みたいな感じで、絶対に出しゃばらないんですよね。まさに助産師はそういう役割です。
助産師は産婦さんと赤ちゃんのことを考えている
助産師は産婦さんと赤ちゃんの安全が第一条件です。そして、産婦さんと赤ちゃんがとっても楽に過ごせるように脇役として補助的な役割を担っています。
それから、私がプラスアルファで思っていることは、産婦さん自身が自分の内面と赤ちゃんに向き合えているか。
陣痛の時に陣痛アプリばっかり見ているとか、旦那さんに今の状況をLINEのやり取りをしたり、陣痛中なのにYouTubeでどうしたらお産が楽になるか検索をしているとか、そんなことばっかりの頭でっかちになると自分と向き合うことが難しくなってしまうんです。
だから、ある程度の情報を妊娠中に蓄えていただき、妊娠中に心地よい体勢や、本当にリラックスできる心の状態を作っていただきたいと思います。そうすると、本能が発揮できるんです。
本能が発揮できると良いこと
本能が発揮できると何が良いかというと、自分にとって一番心地よい体勢やどのようにすると私の陣痛が有効な陣痛になり、少しでも早く赤ちゃんに会えるのかということが自然に分かってくるんです。
赤ちゃんの気持ちに耳を傾けるとは?
これも先ほどお話しさせていただきましたが、赤ちゃんの気持ちに耳を傾けるということを大事にしてほしいなと思います。
赤ちゃんは待ってます。すごく心地よい体勢になっていただいて、赤ちゃんを感じましょう。
「私には無理です、分かりません」というスタンスの方もいらっしゃると思います。
しかし、リラックスした状態で赤ちゃんを感じた時になんかキラキラとした音を感じるとか、胎動をポコポコする感覚がいつもより少し優しい感じがするとか、私が「赤ちゃん、今日は何してるの?教えて?」って言った時に赤ちゃんの感情が伝わった気がするとか、何か感覚があるかもしれません。
気のせいかもしれないと思うかもしれませんが、パッと思いついたその感覚を大事にしてほしいなと思います。
その癖がついていると、陣痛の時に妊娠中は分からないと思ってた方も、陣痛の時に本能が発揮しやすくなります。
産婦さんがとる行動が
実は一番理にかなっている
実は産婦さん自身が腎痛中に取る行動が一番理にかなっています。
お産の時にあるあるスタイルってありますよね。分娩台があり、ちょっと頭が持ち上がっているような状態。そして足を思いっきり開いて、息んで出すっていうのがほぼ100%で行われるお産のスタイルです。
産婦さんの行動を優先すると出産はスムーズ
ところが、私と出会った方々は分娩台に乗せると、足を開いてうーんってやりたがらないです。
仕方ないので、頑張ります!と言ってやってみるものの、これが耐えがたい姿勢なんですよね。なので、お尻をグーッと上げてみたり、体をねじってみたり、どちらかのお尻を上げたり、分娩台から落ちそうになるような体勢を取る方が多いです。
また足をクロスして開くどころか、いやいやこうクロスしたいです!と完全な内股にする方も多いです。
このような産婦さんの本能に任せた状態の時の方が、赤ちゃんの下がりがいいんです。
私はこれを知っているので、一般的な足を開いて生みましょうという形にこだわりません。産婦さんはどういう風にして生みたいのかを優先するとすごくスムーズに出てくることが多いです。
お産の時は自分の心の声を大切に
妊娠中のうちからお産のイメージを持ってみたり、お産は気持ちいいものと自分の脳内、体に教え込ませることだけやって、あとは自信を持ってほしいです。陣痛を起こせる私は素晴らしいということを、しっかりと妊娠中に感じてください。
陣痛中も助産師さんに、ふーふーって呼吸しましょうとか力みましょうと指導されるんですが、それにちょっとでも違和感を感じた時は助産師さんに合わせるのではなく、お医者さんに合わせるのではなく、自分がこうしたいと思ったことをしっかりと声に出して言うようにしてくださいね。
お産が遠回りになる可能性だってあるかもしれないので、自分の心の声を大事にしてほしいなと思います。
五感の重要性
どうして私がこんな不思議な話をするのかというと、私はただ助産師として病院でお産を取り上げているのではなくて、昔から赤ちゃんの声というかインスピレーションみたいなものを感じてたんです。これは助産師あるあるかなと思います。
多くの助産師は「今日お産あるような気がするよね」とか、「なんかこの人まだ子宮口全然開いてないけど進むような気がしない?」「なんか赤ちゃんこうやって言ってるよね」とか、そういうふとした感覚があるんです。
自分自身の五感も大事にしないと同じ助産師であっても、病院のルールを守りながらお産はこうあるべき、だから産婦さんも教科書通りにしてくださいっていうふうに言ってしまうんです。こんなことを言われたら、自分の本能を出せない気がしませんか。
だから助産師はがんじがらめのマニュアル通りというのが嫌な人も結構いたりします。
本当に五感って大事なんだということを普段から赤ちゃんとお母さんに教えられている、だから感覚でわかる助産師も多いんじゃないかなと思っています。
リボーンドールセラピーについて
サロンで妊婦さんが来られた時リボーンドールを抱っこしてもらったりしています。
本当にリアルなので、リボーンドールを抱っこすると赤ちゃんとつながる感覚がわかりやすくなることが多いなと思ってます。
リボーンドールで起きた変化
産後うつで我が子が可愛いと思えなくなった、あんな天使が悪魔に見えるんですっていう方もこの子たちを抱っこすることで「我が子が本当は可愛かったんだ」というふうに大きな気づきが起こったりするんです。
あとこの子たちを怖いと思った妊婦さんもいらっしゃったんですが、この子を抱っこしていくうちに「私は自分自身を受け入れてなかったんだ、だからお産がすごく怖い、ドールが怖いと思ってたんだ」と気づきが生まれ、生む時にはこの子たちのことがすごく可愛く思えてお産がスムーズになったということもありました。
リボンドールセラピーでオキシトシンを出す
妊娠中から旦那さんにハグされたりとか、ドールを抱っこしてぎゅーっとした時に可愛いなぁと思うような感情を感じることでオキシトシンがたくさん出たりします。お友達とランチするのもオキシトシンが出る一つの条件だと思ってます。
そういう意味でも私はリボンドールセラピーを使わせていただいたりしています。
Q&A
Q1.2週間で子宮の厚さが短くなっており、1週間安静にしてさらに短くなったら入院と医師から言われました。とこちゃんベルトを使用しても良いのでしょうか。またどの程度安静にすれば良いのでしょうか。
とこちゃんベルトに関しては賛否両論はあると思います。一時的にという意味だったらありかもしれませんが、とこちゃんベルトの使い方をわからずにすごく危ない使い方をされている妊婦さんが多いです。
助産師でもとこちゃんベルトの正しいつけ方が本当にできてるかって言ったらそこは私もわからないです。
それよりも子宮経幹が短くなる理由があると思うんです。
歯の治療をしてくださいよーって妊娠中言われると思うんですが、感染から来る切迫早産というのも最近はすごく言われますし、骨格の問題とかもあるんですよね。
すごくそり腰だったりするとすぐ腹圧がかかったりとか、立ち姿勢が本当にお腹を下げるような立ち方をしている人がいるんです。そういう人は立っているだけ、座っているだけで腹圧がかかるので子宮が下がって子宮けいかんが押されて短くなるということもあると思います。
安静って言っても正しい寝方をするとか、正しい座り方をすると子宮けいかんが伸びたりします。
お腹の張りも姿勢一つで張りが収まったりするんです。
私のサロンでもちょっとお腹が張りやすいです、まだ先生に切迫早産の診断されてないですっていう段階で来てもらって姿勢矯正をしたら、改善されることがありました。なので切迫早産になる前にマタニティ協会などに声をかけていただけたらありがたいなと思います。
Q2.実際に陣痛が来たら不安になって助産師さんに頼ってしまいそうなのですが、気持ちを保つために準備しておくと良いものはありますか。好きな香りとかを準備しておくのが良いでしょうか。
アロマはあまり雑貨的なものでなく無添加のもの、人工化合物が入ってないようなものが良いです。
なぜかというとアロマは香りを嗅ぐだけで、嗅覚からダイレクトに大脳に行きます。体内に吸収されるものなので、もし使うなら赤ちゃんも大丈夫なものを選んでいただきたいです。
アロマを持っていくのはすごくいいと思います。
音楽でリラックスできるというならスマホとか電磁波とかも気になるところではありますが、私この音楽気に入ってるんだっていうものがあったらyoutubeなり、自分で入れておくとかして音楽を流すのも良いとおもいます。病院で用意されたよくわからない音楽よりは自分がいいなと思う音楽をかけていただくのはありかなと思います。
あとお家で飼っているワンちゃんをぎゅーっとしたり、ワンちゃんの香りを嗅いだりするとリラックスするんだって人はワンちゃんのお洋服持って行ったり、上の子がいる方は頑張ってねって貝殻のお守りとか持たれる方もいらっしゃるんですけど、それもすごくいいオキシトシンが出ると思います。
サロンに来てくださっている方は気に入ったドールちゃんがいたらそのドールちゃんの写真をスマホに入れたりもするんですけど、自分がで抱っこしている写真を撮ってもらって、だっこした時の感触を写真見るだけで思い出すので、そういうのもいいかなと思います。
あとは自信を持つということと、旦那さんに触られなれるっていうことを今から大事にしていただきたいと思います。
Q3. 胎動が少ないとすごく不安になってしまうんですが、いつもより胎動が少なかったり多かったりしたら受診するべきなのでしょうか。
胎動が分かる週数になると毎日胎動を感じていると思います。
同じ条件なのにいつもよりなんか少ない気がする、朝からお昼まで1回も感じてない気がするって不安になった時は遠慮せずに病院に相談してもらったら良いと思います。
遠慮される方もいらっしゃるんですけど、いつの間にか腎痛が始まっていて赤ちゃんもすごく苦しい状態でお産をすぐに進めなければならないということもあったりするので、心配な時は遠慮しないで胎動チェックを行ってください。
BELTAでは、ライフステージの変化によって生まれる不安や疑問を笑顔に変えられるように、資格を持った専門家やプロフェッショナルが実施したイベントをレポートとしてお届けしています。本日共有した内容が、皆様の参考になれば幸いです。