妊娠超初期症状と生理前症状の違いとは?チェックリストで確認

妊娠超初期と生理前の症状の違いは基礎体温に変化がなく、高い状態が続くこと、生理がこなくなることです。
この記事では妊娠超初期と生理前の症状の違いや気をつけることを藤東医師監修のもとご説明していきます。
医師が監修

藤東クリニック院長
藤東 淳也
(ふじとう あつや)
2008年6月 県立広島病院 婦人科部長
2010年6月 産科・婦人科 藤東クリニック 院長
2015年11月 医療法人双藤会 理事長
https://fujito.clinic
妊娠超初期とは、妊娠0〜3週目までのこと

妊娠超初期とは、医学用語ではないですが、妊娠0〜3週目までのことを表します。
0週0日目は、生理開始日のことです。そのため、妊娠0週目は、妊娠は成立していません。
妊娠2週目ごろに受精した受精卵が子宮内膜に着床することで妊娠3週目ごろに妊娠が成立します。
妊娠超初期症状は妊娠3週目ごろから始まる
個人差はありますが、妊娠超初期症状は妊娠3週目ごろから感じる方が多いようです。
この時期は、妊娠検査薬でもまだ正確な反応が出ないですが、妊娠成立に伴い、体の変化や何かしらの症状が出たりします。赤ちゃんの成長にはとても大切な時期なので、注意しておくことが大切です。
妊娠超初期症状と生理前症状(PMS・月経前症候群)の違い
妊娠超初期から、妊娠初期(妊娠15週目まで)はママの体も大きく変化していく時期です。この時期は変化に伴って様々な症状が現れます。
しかし、腹痛や腰痛、眠気やだるさなどの症状は生理前症状と似ているので、妊娠をしているのか判断が難しい場合もあります。
妊娠超初期と生理前の症状の大きな違いは基礎体温に変化がなく、高い状態が続くこと、生理がこなくなることです。生理予定日を過ぎても基礎体温が高い状態が続き、生理がこない場合は妊娠の可能性が高いということができます。
以下では妊娠超初期症状の詳細について詳しく説明していきます。
妊娠超初期症状チェックリスト
体温が下がらず、熱っぽい状態が続く

妊娠超初期特有の症状として、熱っぽさや体のほてりがあります。これにより汗をかきやすくなる人も少なくありません。
一般的に生理周期は、低温期と高温期に分かれており、排卵日前後で体温が上昇し、生理が始まる3〜4日前から体温が下がるとされています。
体温が下がらず、なんだか熱っぽい状態が17日間以上続くなどの場合は、妊娠の可能性が高いです。
生理がなかなかこない
なかなか生理がこないと、妊娠したかもしれないと思う方は多いのではないでしょうか?
普段から、生理周期が安定していて、予定日から1週間ほど経っても生理がこない場合は、妊娠の可能性が高いです。
着床出血がある
着床出血も妊娠超初期の症状の一つです。着床出血とは、受精卵が子宮内に着床する時に子宮内膜が傷つくことで起こる少量の出血です。
生理と間違えやすいですが、着床出血の場合は、期間が1〜3日以内で血液の量も生理よりも少ないことが特徴としてあげられます。
色も人によりそれぞれで、4人に1人ほどの割合で起こると言われています。
おりものの量が増えたり、色が変わる
おりものの量や色の変化も妊娠超初期に見られる症状です。おりものは女性ホルモンであるエストロゲンの影響によって量が変わります。
妊娠すると、このエストロゲンが増加するので、おりものも増えやすくなります。形状としては、サラサラとしていたり、ネバネバしていたりと人によって様々です。
また、半透明だった色が白っぽくなったり、茶色っぽくなることもあります。
腹痛や下腹部痛がある

妊娠すると、子宮は何度も収縮しながら、大きくなります。その際に、生理痛と同じような痛みを感じることがあります。
また、ホルモンバランスの乱れによって、胃腸の働きも弱くなります。そのため、膨満感を感じたり、下腹部が痛むこともあります。
腰痛がある
妊娠すると、リラキシンというホルモンが分泌されます。このホルモンは、赤ちゃんが産道を通りやすいように、骨盤などの関節をゆるくするホルモンです。
これにより、骨盤周りの筋肉に負担がかかり、腰痛に繋がることがあります。
眠気やだるさがある

妊娠すると、女性ホルモンであるプロゲステロンが多く分泌される影響で、眠気やだるさを感じる方が多いです。
プロゲステロンは、妊娠を維持したり、体温をあげたりする効果があります。
更に、眠気を引き起こす働きもあるので、寝ても寝足りない、頭がボーっとするなどが多い場合は妊娠している可能性があります。
胸の張りを感じる

妊娠すると、母乳を出す準備が始まります。その過程で、胸が張ったり、擦れて痛くなったりすることがあります。
妊娠週数が進むにつれて胸の張りは徐々に感じなくなることが多いです。
すぐにイライラしてしまう、不安になる
妊娠すると、少しのことでイライラしてしまったり、不安を感じやすくなったりします。
これは、ホルモンバランスが急激に変化することによって、引き起こされます。妊娠中期には体の変化にも慣れてくるので、だんだんと気持ちが落ち着いてくるようになります。
めまいや立ちくらみがある

妊娠超初期は、ホルモンバランスの変化により、自律神経が乱れやすいです。
また、貧血や低血圧を起こしやすいので、めまいや立ちくらみが起きやすくなります。
食欲がなくなる・食欲が止まらない
妊娠すると、ホルモンの影響により、胃腸の働きが弱くなります。そのため、消化不良を引き起こし、食欲がない状態になることがあります。
反対に食欲が止まらないこともあります。
その場合、食べ過ぎは体重の増加につながるため、軽い運動などをしてカロリーを消費するようにしましょう。
においに敏感になる

においに敏感になることも妊娠超初期症状としてあげられます。
今までは大丈夫だったにおいが急に苦手になることもよくあります。
頭痛が起こる
妊娠超初期はホルモンバランスの変化が激しく、その影響で頭痛が起きやすくなる人もいます。
妊娠超初期の頭痛はつわりが始まる妊娠4〜7週目ごろには落ち着くことが多いです。
肌が荒れやすくなる

ホルモンバランスの乱れによる肌トラブルも妊娠超初期に起こる症状の1つです。
更に妊娠中は肌が敏感になるので、使用中の化粧品が合わないと感じることもあります。
シミやソバカスの原因となるメラニン色素も増加し、色素沈着が起こりやすくなるので、紫外線対策も心がけましょう。
唾液や鼻水が増加する
ホルモンバランスの変化から自律神経が乱れることで、唾液や鼻水の量が増加することがあります。
風邪の症状と似ているので、他の症状と一緒にチェックしてみましょう。
体にむくみを感じやすくなる

妊娠中は体内に余分な水分を溜め込み、体にむくみを感じやすくなります
足のむくみは妊娠中期以降によく現れる症状ですが、妊娠超初期症状にむくみを感じる人もいます。
特に立ち仕事やデスクワークなど同じ姿勢でいる状態が長いと、むくみやすくなります。
頻尿になる
妊娠超初期には体内の水分量が増加することで頻繁に尿意を感じることがあります。
頻尿は妊娠全期を通じ、90%以上の女性が経験しているという調査結果もあるほど、妊娠中によく起こるマイナートラブルです。
便秘になる
妊娠をすると、ホルモンの影響で腸の動きが遅くなるので、便秘になりやすくなります。
また、つわりで食べられるものが限られることも便秘の原因となります。
妊娠検査薬で自己診断する場合

生理開始予定日から1週間後が使うタイミング
妊娠を確認する方法で妊娠検査薬をまず思い浮かべる方は多いのではないでしょうか?
妊娠検査薬は尿をかけるだけで簡単に妊娠しているかを調べることができますが、あまり早い段階で使用しても、反応が出ないことがあります。
妊娠検査薬は、妊娠している時に出るhCGというホルモンが尿に含まれているかどうかで陽性か陰性かがわかります。
しかし、このホルモンは妊娠5週目ごろにならないと尿に含まれません。妊娠していた場合は、生理開始予定日から1週間後で、ちょうど妊娠5週目ごろに当たります。
そのため、生理開始予定日から1週間ほど経った時が目安となります。
妊娠検査薬で妊娠が判明したら、婦人科を受診
妊娠検査薬を使って、陽性が判明した場合は、早めに産婦人科を受診しましょう。妊娠検査薬の目的は、妊娠の有無ではなく、早い段階で妊娠に気づき、産婦人科を受診することです。
産婦人科では、異常妊娠でないかを検査することができます。また、妊娠初期は、赤ちゃんにとって大切な器官を形成する時期です。赤ちゃんのためにも、妊婦としての過ごし方を心がけることが大切です。
妊娠したかもと思った時に気を付けることリスト
お酒をやめる
飲酒は低体重や形態異常、脳障害などの、胎児性アルコール・スペクトラム障害を引き起こす可能性があるため、気をつけましょう。
妊娠中のお酒について詳しく知りたい方は下記のリンクから
妊活中にお酒を飲んでも大丈夫?タバコをやめる
タバコに含まれているニコチンは、血管収縮作用があるので、赤ちゃんに酸素や栄養が行き届かない可能性があります。
これにより、低出生体重児や、早産のリスクが高まることが明らかになっています。
カフェインを摂りすぎない
カフェインの過剰摂取は出生時の低体重に繋がり、将来の健康リスクが高くなる可能性があります。
妊娠中のカフェイン摂取について更に詳しく知りたい方は下記のリンクから
カフェインの摂り過ぎには注意?おすすめの飲み物について激しい運動を避ける
妊娠超初期〜妊娠初期は流産のリスクが高いので、身体に負担のかかる運動や転倒の危険があるスポーツは避けましょう。
妊娠中の運動は体に負担がかからないウォーキングやマタニティヨガがおすすめです。
妊娠前に運動習慣がない人は無理をせず、妊娠中期以降、様子を見ながら行いましょう。
感染症に気を付ける
妊娠すると免疫力が低下するため、感染症にかかりやすく、重症化もしやすくなります。感染症の中には赤ちゃんに悪影響を与える可能性があるものも存在します。
手洗いうがいや人混みを避けるなど、普段よりも気をつけて感染症対策を行いましょう。
生活習慣を整える
切迫流産のリスクが高い場合、不規則な生活は流産の確率を高める可能性があります。極端に睡眠時間が短い場合や食事が偏っている場合には生活習慣を整えましょう。
薬を使う場合は医師に相談する

妊娠中に薬を服用する場合は医師に相談をしてから服用しましょう。市販薬などは赤ちゃんの成長を阻害するような強い成分が含まれていないことがほとんどですが、自己判断で服用する前に医師に相談をした方が安全です。
赤ちゃんとママの健康のために葉酸を摂取する
妊娠したかも?と思ったら、特に意識して摂って欲しいのが「葉酸」です。
葉酸の摂取が、胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクを下げることが明らかになっており、特に、赤ちゃんの神経管が作られる妊娠初期に葉酸を摂取することで発症リスクが40〜70%低減したという研究結果も出ています。
また、葉酸は血を作るサポートもします。妊婦さんは貧血になりやすいため、貧血予防のためにも必要な栄養素です。
※参考:葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果
葉酸の効果や摂取量は?いつからいつまで必要?神経管閉鎖障害とは

神経管閉鎖障害とは、妊娠初期(妊娠6週目ごろ)に起こる胎児の先天異常のことで葉酸と深く関わりがあります。
神経管閉鎖障害の原因は多岐にわたりますが、代表的なものは「葉酸」の摂取不足があります。その他にも環境や遺伝によって神経管閉鎖障害のリスクが高くなることがあります。
神経管閉鎖障害とは?葉酸の必要性も解説サプリメントで効率よく葉酸を摂取しよう
普段の食生活からではうまく葉酸の栄養素を摂取できないため、厚生労働省では特に妊活中、妊娠中の女性にサプリメントでの葉酸摂取を推奨しています。
サプリメントの葉酸はモノグルタミン酸型の葉酸と呼ばれ、食事からの葉酸(ポリグルタミン酸型葉酸)と比べて体内への吸収率が高いためです。
葉酸摂取にはベルタ葉酸サプリがおすすめ
ベルタ葉酸サプリは、厚生労働省推奨のモノグルタミン酸型酵母葉酸を480µg配合した葉酸サプリです。
葉酸以外にも、鉄分・亜鉛・ビタミンD・ビタミンB6・ビタミンEを、妊婦さんの1日あたりの推奨摂取量配合(厚生労働省・日本人の食事摂取基準2015年版)。
さらに、カルシウム264mg・野菜23種類・ミネラル27種類・アミノ酸20種類・美容成分5種類など、合計83種類の栄養素をバランス良く配合しています。
後味がないため飲みやすく、食事が摂りにくいつわり時の栄養補給をサポートします。